【2016年】京都府亀岡市と連携した災害訓練
想定外“ゼロ”を目指して
日清医療食品では、災害時「想定外」を極力発生させないように、医療・介護・保育の現場でお食事を召し上がる方に対して、食事サービスの提供を継続できるよう、リーディングカンパニーとしての誇りと自覚を持ち、弛まぬ努力を続けております。
緊急時の物資搬送を円滑に進めるためには自治体との協力は必要不可欠です。今回、京都府亀岡市の協力を得てのヘリコプターの発着訓練を実施しました。
【被害想定/訓練趣旨】
早朝7時に南海トラフ沖地震が発生したと想定。
被害地域の支援をスムーズに行うため、日清医療食品のヘルスケアフードサービスセンター京都(所在地:京都府亀岡市大井町並河亀ヶ渕48)ならびに関西倉庫(所在地:大阪府高槻市)からアクセスのよい亀岡市を被災地支援拠点とすることで、被災地においても一人でも多くの命を救うため本訓練を実施。
発着訓練を行う理由は、平常時から行政および関係各所と連携を行うことで非常時にスムーズに緊急支援物資の空輸を実現するために行います。また、今回、場外離着陸場(臨時ヘリポート)として使用させていただきました亀岡運動公園 野球場(京都府亀岡市)は事前に亀岡市・航空局の許可を得ております。
使用したヘリコプター(運航:東邦航空株式会社)
機種:AS350B型ヘリコプター
用途:人員輸送他
出力:641馬力×2
運航速度:220km/h
航続時間:2.5時間
乗員/乗客人員:2/4名
最大離陸重量:1,950kg
訓練内容
7:00
南海トラフ地震発生
関西圏内では大阪の一部および和歌山県、三重県で孤立地帯が発生。
8:00
ヘリコプターにて孤立地帯への空輸を検討
ヘリコプター会社に連絡し、場外離着陸場として亀岡運動公園の打診を受ける
8:30~9:00
亀岡市側に連絡
亀岡運動公園の使用の有無の確認。管理会社に確認。航空局への打診。
10:00
日清医療食品に使用の許可。
亀岡運動公園の場外離着陸場の使用許可が降りる。
10:30
ヘリコプター出発。
出発地:八尾飛行場。
11:00
ヘリコプター到着。
到着場所:亀岡運動公園 野球場。
八尾飛行場からヘリコプターを搬送について
ヘリコプター提携先である東邦航空株式会社は大阪(八尾)にも事業所を有しております。
ただ、南海トラフ地震発生時の八尾市は震度6弱を予定していますが、災害時はヘリコプターを格納庫から速やかに移動をさせ、フライト準備を行います。
南海トラフ地震においても八尾からのフライトは対応可能です。
ただし、災害状況においては通話制限等があると考えられるため、東京ならびに長野からヘリコプターを空輸する事も想定しています。
※今回は訓練のため八尾飛行場からの飛行のみになります。
場外離着陸場での対応
今回は訓練のためエンジンを切った状態で一度着陸をさせています。
その後、物資ではなく参加者の一部がヘリコプター内に乗り込み亀岡市上空を旋回させ、着陸をする際にはエンジンを切らずにヘリコプターの乗り込む訓練も実施しています。
この訓練の趣旨は有事の際は人命救助のためのヘリコプターが着陸する場合はエンジンを切らずに物資搬送を速やかに行うため、亀岡市を管理する当社近畿支店の社員および関係者にヘリコプターに乗り込んでいただきました。
※エンジンを切った後再度エンジンをかけた場合数十分程度時間がかかる可能性があるため、有事の際はエンジンを切らずに支援物資の空輸を実施いたします。
安全講習を行った上実施しています。
社会貢献活動
ヘリコプターの発着訓練に関して、亀岡運動公園野球場近くに位置する亀岡市立中部保育所の園児に対し、社会見学の一環として見学をしていただきました。
ヘリコプター着陸時には野球場内で安全が確保できる場所で見学をいただき、また着陸後にはヘリコプターの周囲を見てもらいながらヘリコプターの説明を実施。
ヘリコプター着陸後に亀岡市桂川市長、日清医療食品乳井取締役と記念撮影を実施。
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亀岡市立中部保育所の集合写真 | ヘリコプターを見学する園児たち |
訓練を終えて
京都府亀岡市 桂川市長コメント
本年は、災害が少ないといわれている熊本地方や鳥取地方にも地震がありました。今後、東南海沖地震においても大規模災害が起きる可能性があると言われています。
今回、日清医療食品様では、南海トラフ地震が発生した際のヘリコプターでの緊急支援物資の空輸を想定した、発着訓練を実施されました。
日清医療食品様が非常時を見据えた対策として、このような訓練をいただくことは、亀岡市としては心強いかぎりです。
日清医療食品様は医療・介護施設で食事サービスの提供をする企業で、現在亀岡市大井南部地域に、12月に完成予定の新たな工場を建設中であります。
この工場はアジア最大級であり、1日10万食の製造能力になります。この亀岡に大規模な食品工場を建設いただけること大変ありがたく思います。
これからの日清医療食品様の活動、事業を応援しながら共に安全・安心で非常時でも対応できる体制作りに向けていきたく思います。
更に、この亀岡はセーフコミュニティの街として、安全・安心が担保できる取り組みを目標としています。
非常時でも、企業がしっかりと役割を果たすために取り組まれていることに、改めて感謝とお礼を申し上げるとともに、今後も亀岡市と企業が連携を深め、よりよい企業活動がこの亀岡で取り組まれるよう努力をしていきます。
本日、このような非常訓練が実現できたことを改めて感謝とお礼を申し上げます。
日清医療食品 乳井取締役コメント
まず、今回訓練を実施するにあたり、亀岡市の方をはじめ多くの方のご協力があり実現できました。厚く御礼申し上げます。
いかなる緊急時であっても、医療・福祉の仕事をさせていただいている日清医療食品が食事を提供し続けるのは、社会的使命であります。
今回は南海トラフ地震を想定し、この亀岡市が災害支援拠点になるのか、また拠点としてヘリコプターの使用は可能かの検証訓練でした。
京都府ならびに亀岡市の方の協力もあり、大変緊張感もあり有意義な訓練となりました。
今後も想定外という事態を発生させないため、体制構築および訓練を継続させていきたいです。
災害対応の4つの柱
非常用備蓄倉庫の設置
全国に「非常用備蓄倉庫」を設置。ライフラインが寸断された場合でもすべてのサービス地域でスムーズに食事提供できるよう、消耗品を含む非常用品を備蓄しています。
災害時献立の考案
大規模な震災時には発生から本格的な支援開始まで3日程度かかるという教訓を踏まえて、火や水を使わずに食べられる「災害時献立」を3日分備蓄することをお客様に提案しています。
ヘリコプター運用会社との契約締結
東日本大震災の際、物資の被災地への搬送方法に課題を残したことから、陸路が寸断されても物資運搬ができるよう、ヘリコプター運用会社と非常時対応契約を締結。必要な地域に確実に支援ができるように体制を整えました。
通信手段の強化
東日本大震災では固定電話や携帯電話が不通になり、社員間や支店、事業所間の連絡が寸断されてしまいました。そこで、全国の支店にMCA無線を導入するとともに、大容量の蓄電池を配備。また、被災状況を素早く確認するため、事業所責任者の携帯電話を利用した「安否確認システム」も導入しました。