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CSR/社会貢献活動の取り組み

幸福社会の創造を幸福社会の創造を

掲載日:2019年12月11日
ステークホルダー : 地域社会
キーワード : SDGs 健康経営 働き方改革 給食業界

幸福社会の創造を|株式会社HLDLab 代表取締役社長 岡田大士郎様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営にするため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケーションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、株式会社HLDLab 代表取締役 岡田大士郎様に幸福社会創造と食についてインタビューを行いました。

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株式会社HLDLab 代表取締役社長 岡田 大士郎様

※インタビューに応えていただいた、株式会社HLDLab 代表取締役社長 岡田 大士郎様

Q.株式会社HLDLabについてと企業経緯について教えてください。


 HLDLabはハッピー・ライフ・デザインラボが正式名称で、福社会創をミッションとしています。

 この考え方はSDGsの理念である「誰一人取り残さない-No one will be left behind」に近く、世界中の人が幸福になれる場づくりを基本として取り組んでいます。

 ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されており、日本政府は2017年に「人生100年時代構想会議」を設置しています。

 これからは60歳や65歳で定年退職を迎えた方たちが人生100年構想を考えた場合、幸福で豊かに暮らすための社会づくりが必要になります。

 その中でビジネスマッチングなど知の総合商社として社会課題に関しての解決に向けたプロデュースを私はしています。

 現在はインターネット上で情報が氾濫しており、膨大なコンテンツや商品の中から独自の基準で選別する必要があります。デジタルマーケティングでキュレーションユーザーにマッチした情報を餞別する仕組みがありますが、もっとシステマティックにビジネスにつなげているのが、HLDLabの目指しているものになります。

 またHLDLabでは、ナレッジだけではなく「食」についての取り組みもしています。人が楽しく生きていく中で「欲求」は大切です。その中で生活に密接に関わって来るのが「食」です。

 高齢になると体に気を付けた食事というものが大切になってきます。けれど、健康食と身構えるのではなく、自然に本物の味を楽しく食べられることの取り組みを行っています。

 その一つとして社員食堂の改善プロジェクトも行っています。

 社員食堂はただ栄養を摂っているだけという、本来楽しみであるはずの「食」が「作業」になっているケースが多くあります。

 その中でゆったりと食事ができる環境づくりの推進をしています。

 本来、社員食堂とは福利厚生の一環であるはずなのに、安価でただ単に食事提供ということだけで、社員の健康や食事を通じてのコミュニケーションの一環であることなどの考えが欠如している所が多いように感じます。

 社員食堂を変えることで企業が変わるということは私自身が前職で経験したことが関係しています。

【社食改善プロジェクトの前に】

 まず、私自身の経歴を少しだけ紹介させてください。元々は20年間日本興業銀行に所属をしており、合併時にDeutsche Bank AGに転職しました。プロジェクトが終わったのちに、縁があり株式会社スクウェア・エニックスに転職しました。

 私の今までの経験では出会う事のない個性豊かな人が多い職場でした。

 内部統制室からスクウェア・エニックスの米国現地法人社長を経て、本社総務部長を経験させていただきました。

 私が入社した当時の株式会社スクウェア・エニックスは株式会社エニックスと株式会社スクウェアが合併した時期(2003年)であり、会社内に元気がない状態でした。

 そのため、当時の和田洋一社長からは「社員を元気にしてほしい」というミッションを受けました。

【社員を元気にするには】


 2007年に総務部長に就任してからは、まずゲーム作成をしている人たちを知ることからはじめました。

 私自身まだまだゲーム制作をしている人への理解が少ないため、この個性豊かな人たちの「楽しみにしていること」「何にわくわくするのか」「どういう働き方をしているのか」など調査していきました。

 その中で、個性豊かと言っても同じ人であり、深く考えることはないのだと思いました。

 そのため人の意識を左右する五感、特に目に見えるものや、匂いや触れるもの、そして、食べることなどに注力をするのがいいと判断しました。

 特にアイディアを出すにはひらめきが大切です。

 過去の日本では長時間働かせて、無理をさせることが美徳であり、当たり前でもありましたが、この手法では「心」が疲弊し悪影響が出ることがすでに証明されていますし、その結果政府は「働き方改革」を進めて企業に改善するように促しています。

※厚生労働省 働き方改革リーフレットより抜粋

 そのため、生産性を上げるには企業側が社員に対して「言ってもダメ」「正してもダメ」だと思っています。社員が自発的に動ける場づくり、環境を変えることが大切だと考えました。

 当時のオフィスは一人ひとりブースがあり籠って仕事をしていました。

 プライベートオフィスとしては良い面もありますが、人との交流が希薄になり、また社員の健康が悪くなってもなかなか他の社員が気づくこともすくない環境ですし、上長が部下を管理するのが難しい状況でもありました。

 パーテーションは1メートル20センチ程度で区切られていたのですが、このパーテーションの撤廃をすることで交流が図れるのではと思いましたが、結果としてクリエイターからの反発を受け断念することとなりました。

 そのため、小手先の変化ではなく、本社を移転させるとともに社員の働き方を変えて行こうと思いました。

 この間に私自身も多くの勉強をさせていただきました。特に人の行動や心理について学ぶことで、当たり前ですがやりたいことや面白いことに対しては意欲的ですが、やりたくないことへの反発心やストレスを持ちます。

 ストレスは職場環境のスペースの広さ、狭さや明るさ、暗さや、人間関係やコミュニケーションで大きく左右されます。

 総務部部分の仕事はコストカット、効率化を求めることに特化していたため、衛生面が劣化し社員を元気にするという観点が欠けていました。

 私が受けた「社員を元気にしてほしい」というミッションを考えた時に、社員が五感で感じるものを自然に心地よいものに変化させることで、「ストレス軽減」「集中力アップ」「自律神経回復」などマインドフルネスを達成できるようすることだと思いました。

【チームでの成果のために】

 これはゲームだけはないと思います、一つの仕事をする上で、一人ではなくチームで取り組むことは多いと思います。

 その中で色んな意見がぶつかり合いながら、一人ひとりが持つエッジをそぎ落とさずに化学反応を起こすことでよい結果、作品が産まれます。

 その場を提供する上で私は「社員食堂」を提案しました。

 今までの職場環境だと自分の仕事に入ると食事も睡眠もとらない人もいました。その結果コンディションを崩し、成果が上がらないというケースもありました。

 その中で魅力ある食堂と食事と交流やリフレッシュできる場として、またリチャージができる空間とて、脳と心と腸を整えるために社員食堂の重要性を経営層に説明しました。

 腸は第二の心臓でもあり脳でもありますが、多くのクリエイターは食に栄養を考えておらず、暴飲暴食をする者もいれば、集中するため欠食することが当たり前のものもいました。

 クリエイターの中には生活習慣病や体調不良の人もいて、不健康な状態でよい作品は作れないと考えました。

 少なくとも社食を提供することで昼食もしくは夜食をきちんとしたおいしい食事を食べてもらうこと、そして提供する場をきれいな空間にし、若い男女がサーブする“非日常を演出”することで多くの社員が活用したくなるようにしました。

 ワークプレースの中に単にイーティングスペースを作るだけでなく、またそのスペースはミーティングにも活用しています。

 ちょっとした打ち合わせや指導の際にワークプレースだと角が立つ時もありますが、場を変え、コーヒーを飲みながらだとスムーズに行く場合もあります。

 投資効果として、移転から5年かけてモニタリングをした結果で売上は1,000億円から3,000億円弱に営業利益も100億円から350億円に株価はボトム時の1000円強からピークで4,500円程度の水準に上昇するという事実がありました。

 これは移転だけの結果ではないと思いますが、社員食堂を導入した事で一人ひとりの働く意識が高まり、ゆとりも産まれ、またオープンフィールドで話すことで人の機微の変化にも気が付けるなど変化がありました。

 この時期にノンスクエニタイプ、いわゆるドラクエ、FFシリーズ以外のヒットも産まれました。

 ディレクターなどに新作の背景を聞くと場が変わり今まで閉じこもって開発をしていたのが、オープンフィールドに変わったこと、食堂(ラウンジ)があることで交流も増えたことも要因であることがわかりました。

 後は社員の笑顔が増えたことも一つですね。総務部長として職場の変化を確認するために各部署を確認しに回っていたのですが、何が変わったのかを確認すると「新しいオフィスで働くことは色んな人と話しができてよかった」などの声がありましたので場づくりとしては成果を出せたのだと思います。

 この場づくりは無意識の統制でもあります。

 強制や指示ではなく社員が自発的に利用し、結果を出していく。それこそが「社員を元気にする」というミッションの結果だと思っています。

Q.今後日清医療食品に求めることがあれば教えてください。


【人生100年構想と食】

 これからの社会でキーワードとなるのが「SDGs」と「人生100年構想」だと私は思います。

 私自身幸福社会の実現として取り組んでいますが、多くの企業が60歳定年制の中、残り40年をいかに過ごすのかを考えている人が少ないように感じます。

 そして、この40年を健康に過ごすためには「食事」が非常に重要です。加齢とともに歯の問題や筋力の低下により咀嚼・嚥下機能の低下は避けられないと思います。

 また、疾病により食事に対して何らかの制限がかかる人も高齢になれば増えてくるのも事実です。

 その中でいかにおいしく食事を食べるかと、もう一つは安全に食べるのかが大切になります。

 日清医療食品様では、「ムース食」や「やわら御膳」などのように高齢者に配慮した食事提供をしておられます。

 ただし、この高齢者内の中でもまだまだ咀嚼・嚥下について知識を持っている方が少ないのが現状です。

 もっと情報発信に力を入れていただければと思います。これからの人生100年構想において高齢者の食は非常に重要なテーマです。


※モバイルプラス やわら御膳 説明動画


【食事で感動をしてもらうために】


 私は、食事はただ単に栄養を摂取するだけではなく、食事を通じて意識の変化もできると思っています。

 見た目や味、風味だけじゃなく、どういう場所で、どういうシーンで、誰と食べるかで得られる効果は違うと思います。

 病院や介護施設での食事は日常を感じられない空間でもあり、制限が多い環境でもあります。

 その中で外食産業である吉野家・モスフードサービスとコラボした「みんなの日曜日」はかなり面白い取り組みだと思います。

 色々な制限はあるかと思いますがもっと外食産業とのコラボをすることで制限がある中でも感動してもらえる取り組みをしていただければと思います。

 後、私は社食にも三ツ星レストランのように評価があってもいいと思っています。同じく病院や介護施設の食事も第三者により評価があっても面白いと思っています。そのような取り組みも検討ください。

※所属・役職名はインタビュー時になります。インタビュー日:12月6日

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