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CSR/社会貢献活動の取り組み

ヘリポート夜間照明の開発についてヘリポート夜間照明の開発について

掲載日:2020年03月13日
ステークホルダー : 地域社会
キーワード : パートナーシップ ヘリコプター 災害対応

ヘリポート夜間照明の開発について|開発4社による会見レポート

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営にするため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケ―ションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 今回、2020年2月18日に実施いたしました、可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」の記者会見のレポートを公開いたします。

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2月18日 記者会見登壇者

2020年2月18日 4社協同プロジェクト記者会見

左から
株式会社ヒューロビント 代表取締役 岩田君彦様
国立大学法人岐阜大学 工学部機械工学科 准教授(博士)松下光次郎様
学校法人ヒラタ学園 副理事長 航空事業本部 本部長平田光弘様
日清医療食品株式会社 取締役総務本部長 乳井真一

日清医療食品が可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」開発への参画経緯について


【社会課題について】

日清医療食品株式会社 乳井取締役

会見時 説明する日清医療食品株式会社 乳井取締役

 現在、ヘリコプターを活用した災害支援においては日中のみと制限があります。その課題の一つとして着陸地点に照明がないことがあげられています。

 従来の持ち運びできるヘリポート夜間照明もありますが、①設置に時間がかかる、②一人で設置できないなど問題を多く抱えていました。

【協働の経緯について】


 日清医療食品は医療・介護施設での食事サービスをしていて、非常時でも食事提供を継続する使命があります。

 災害対策として2012年より強化を実施し、①通信手段の強化、②災害時献立の考案、③非常用備蓄倉庫の設置、④ヘリコプターの運用の4つを柱としています。

 ただし、平成30年7月豪雨においてヘリコプターで緊急支援物資の空輸を実施しましたが、天候回復から夕方に1回のみのフライトのみとなりました。

 日清医療食品においても、ヘリコプターが日中のみのフライトしかできないことについては課題の一つであると考えていました。
 2018年にヒラタ学園より、この社会課題の解決に向けての相談を受け、本プロジェクトの協力を行いました。



※平成30年7月豪雨災害時 三原市上空の画像(写真提供:ヒラタ学園様)


【協働の目的について】


 有事の際に、現状ではヘリコプターでの緊急物資の空輸については「昼間のみ」と制限がありますが、この可般型へリコプター夜間灯火「ヘキサゴン」が広く社会に広まることで、支援する幅が広がり、当社においても災害時の緊急支援物資の空輸時間が拡大するなど救われる命が増えると考えています。





ヒラタ学園による社会課題の説明


【ヒラタ学園について】

学校法人ヒラタ学園 副理事長 航空事業本部 本部長平田光弘様

会見時 説明する学校法人ヒラタ学園 副理事長 航空事業本部 本部長平田光弘様

 ヒラタ学園は昭和61年に近畿コンピュータ電子専門学校、その後平成5年に大阪航空専門学校を設立しこの2つの専門学校を運営しております。

 この2つの専門学校は大阪府の堺市に学園本社を構えております。

 そして、ドクターヘリ等のヘリコプターや飛行機の事業を手掛ける航空事業本部は神戸空港を拠点に事業展開しております。

 航空事業は約27年の歴史があり、これまでのヘリコプター事業の経験・知識を活かして、今回の可搬型ヘリポート夜間灯火ヘキサゴンを開発いたしました。

 航空事業はパイロット、整備士の教育訓練や、遊覧飛行や人員輸送、航空撮影、医療搬送、ヘリポートコンサルタントなど多岐に渡ります。

 航空事業部門においては業界3位で11%のシェアがあります。

 また、ドクターヘリの国内実績につきましては現在約20%のシェアになり、ヘリコプター事業ではこのドクターヘリを一番の主力事業となっております。

学校法人ヒラタ学園 シェアについて

航空運航事業(ヘリ)および全国ドクターヘリシェアグラフ

【ヘリポート夜間照明の開発経緯について】


 現在、熊本地震、東日本大震災などの大地震、豪雨や雪害と毎年のように、どこかで孤立するような災害が発生しています。

 このような災害時には機動力を持った災害支援のためのヘリコプターが活躍してきました。

 災害支援のヘリコプターは国内で600機以上あり、限定的ではありますが、夜間の支援活動も行われています。

 ただ、民間のヘリコプターが夜間に離着陸するためには、ヘリポート用の夜間照明など地上側の支援が不可欠であり、これは航空法でも定められております。

 航空法では境界灯、境界誘導灯、風向灯の3種類は必ず必要となりますが、災害用、緊急用のヘリ離着陸場所の90%以上は夜間照明が未整備です。

 常設型の夜間照明を整備した場合は1,000万円前後かかると言われておりますので、整備したいけれども進まないのは整備費用が大きな原因の一つとなっております。

 民間だけではなく、防災ヘリ、救急ヘリの夜間運航に関する資料の中にも、人員確保の課題、費用負担の課題などもあがっておりますが、必ず、ヘリポート夜間照明の整備ということが課題としてあげられております。

【境界灯・境界誘導灯・風向灯について】

境界灯 航空黄 不動光 光源の水平面より上方
30度まで視認可能 10cd以上
境界誘導灯 航空緑 不動光 光源の水平面より上方
30度まで視認可能 5cd以上
風向灯 不動光
300m上空から明瞭に視認可能

境界灯・境界誘導灯・風向灯 配置について

境界灯・境界誘導灯・風向灯 配置について

 航空法では境界灯、境界誘導灯、風向灯の3種類は必ず必要となります。
 境界灯は離着陸可能な範囲を示すために上図のようにヘリポートの周囲に設置します。
 境界誘導灯は離着陸する際の進入・離脱方向を示すために設置します。
 ヘリコプターは着陸する際のヘリポートの風向きによって離着陸方法が決定いたします。そのため、風向灯は風向指示器を照らすために設置いたします。

【既存製品について】

常設型 可搬型(ケーブル式) 可搬型(乾電池)
・電気工事が伴うため費用が高額
・持ち運び不可
・持ち運びは不便
・設置に時間を要する
・発電機など電源が必要
・重さ約3.5㎏/1個
・1人で全て運ぶことは困難
・風向灯は乾電池ではない
・リモコン操作不可
約1,000万円 約150から600万円 約140から160万円

 既存のヘリポート夜間照明についてヒラタ学園にて調査をした結果、上記表のように区分けになりました。

 常設型の場合、設置費用約1,000万円かかります。また、常設型は設置した場所でしか使用できません。

 可搬型についてはケーブル式の乾電池式がありましたが、可搬型でのケーブル式は常設型より設置費用は下がりますが、設置するのに時間がかかります。

 今回の「ヘキサゴン」と比較すると10分や15分での設置は困難です。

 可搬型での乾電池式はヘリコプターのダウンウォッシュで吹き飛ばされないように1個が3.5Kgと重さと大きさがあるため、一人で持ち運びすることが困難です。

 そのため、もっとよい商品が開発できないかを考えた際、取引先各位に相談した結果、災害時に支援物資を空輸する契約をしている日清医療食品様を通じて岐阜大学様とのご縁ができ開発プロジェクトチームを結成し、既製品よりもっと利便性が高い機能的な可搬型ヘリポート夜間灯火の開発を行うことになりました。

会見時に展示したヘキサゴン

【ダウンウォッシュ実証試験】


 そして、打ち合わせを重ねて研究開発を行っていただいた結果約1Kgと軽量化が可能となりました。

 ヘリコプターのダウンウォッシュに飛ばされないかと懸念があり、2019年9月から小型機から大型機までのヘリコプターで実証試験を行いました。

 小型機では、日清医療食品様にご協力いただき、亀岡市の河川敷にて砂利、芝生の両方で実施いたしまいた。

 結果軽いけれども飛ばされないという矛盾を実現しました。

2019年9月7日に亀岡市で実施したダウンウォッシュ実証試験の様子

【これからの災害支援について】


 災害時の夜間には、海上保安庁、自衛隊、警察ヘリ、消防防災ヘリ、民間支援ヘリの活動が予想されています。

 これからは災害時に24Hのヘリポートを探すのではなく、支援するヘリコプターが着陸する場所に夜間照明を持っていくという考えを持つべきだと思っております。

 また、各行政の地域防災計画、救急医療計画に24時間対応のヘリポート確保を積極的に盛り込んで整備する方向性も重要になると考えています。

岐阜大学による説明


【可搬型ヘリポート夜間灯火の開発について】


国立大学法人岐阜大学 工学部機械工学科 准教授(博士)松下光次郎様

会見時 説明する国立大学法人岐阜大学 工学部機械工学科 准教授(博士)松下光次郎様

 私自身は企業ニーズを現場分析し、最新技術で開発、ロボット研究室による社会実装研究を行っています。

 今までに作業支援ロボットやソフトグリッパー搭載協働ロボットアーム、AI強化学習によるロボットアーム動作の最適化、無人搬送ロボット(自律移動+AI深層学習)などを手がけてきました。

国立大学法人岐阜大学 工学部機械工学科 准教授(博士)松下光次郎様が手がけた一例

 今回、2019年1月4日にヒラタ学園から開発依頼を受け、既存の可搬型ヘリコプター夜間灯火からの改善の要望として以下の5項目を聞きました。

・運搬しやすいように軽量化(既存16個×3kg=48kg)
・無線通信で16個を一括に点灯・消灯
・無線通信で点滅パターンをコントロール
・乾電池で長期間利用可能
・乾電池を交換しやすい構造


 運搬しやすいように軽量化についてですが、現行の夜間灯火が1個3Kgである理由は風圧対策であると聞きました。

 この風圧は照明に高さがあり、風圧の影響を受けやすいことがわかりました。そして、この照明に高さがある理由は形状が電球を想定した設計になっていたためでした。

 そのため、LED照明を使うことでフラットにすれば解決できると判断しました。

 実際に高さを10cmから2cmにすることで,滑りやすい地面でも摩擦の高い地面でも,2倍の風速に耐えることが実験結果でわかり、高さを減らすだけで飛ばされにくくなるため,重りを1/2など減らす事が可能となりました。

 次に、「無線通信で16個を一括に点灯・消灯」、「無線通信で点滅パターンをコントロール」、「乾電池で長期間利用可能」の3点ですが、センサネットワーク・プログラマブル・低消費電力のZigbee系無線通信が適切と判断しました。

 Zigbee系無線通信のマイコンモジュール「TWE-Lite」を使用することで、乾電池で5時間連続灯火を目標とされましたが、6時間以上を実現できました。

 点灯消灯・制御システムとして、制御パターンをプログラムで実現し、無線通信Twe-Liteを活用することでLED点灯・消灯を実現しています。

 「乾電池を交換しやすい構造」については、「重り」と「本体」を磁石で取り付ける方式を選択しました。

 1次試作から6次試作を行い6次試作では① フラット構造3cm高と重り1kgの組合せでヘリコプターの風圧でも耐えられる構造② 六角形LED配置(6チップ×6方向)と、超高輝度LED(白)と透明樹脂(着色)で、全方位に適切輝度照明を実現③ 無線通信Twe-Liteで一括点灯、および、乾電池3本で5時間連続点灯!④ 大量製造&組立しやすい、設計に変更を実現しました。

 2019年10月に、岐阜大学とヒラタ学園の共同研究(試作開発)は終了いたしました。

第1試作から第5試作までの流れ

学生ベンチャー ヒューロビントによる説明


【HEXAGON開発 ~大学からの技術移転・製品化~】


株式会社ヒューロビント 代表取締役	岩田君彦様

学生ベンチャー株式会社ヒューロビントの皆様 下段中央が株式会社ヒューロビント 代表取締役 岩田君彦様

 株式会社ヒューロビントは2018年10月1日に設立した、ロボット系研究室発のベンチャ―企業です。

代表取締役 岩田君彦 岐阜大学自然科学技術研究科1年在学中
技術顧問 松下光次郎 岐阜大学機械工学科准教授
取締役 今井丈二 岐阜大学自然科学技術研究科1年在学中
取締役 笹竹佑太 岐阜大学機械工学科4年在学中
取締役 橋本裕之 (株)フューチャーラボラトリ代表・産学連携分野等で活躍中


 メイン事業はイノベーション・コンサルティング事業で、現場ニーズに基づく迅速・安価なR&D(研究開発)、大学での研究成果の技術移転、IoT、AI、VRなどの最新普及技術の活用、ハード・ソフト両面から見た合理的な開発などです。

 ロボット技術は複数の技術の集合体になります。

 ロボット工学には幅広い知識が必要になります。機械力学、制御工学、電気電子工学、プログラミングなどの知識が必要になります。

 そして、医療・福祉や、防災、土木、農業などといった異分野融合の親和性が高いです。

 ここで少しだけ現場ニーズに基づく迅速・安価なR&D(研究開発)について説明させてください。

 開発の多くは仮想ニーズに基づく製品開発や、自社技術を元に製品開発されることが多いかと思います。

 私どもヒューロビントでは、必ず現場に訪問し、ニーズ把握からはじめます。ほしいものが必ずしも必要なものとも限りません。そのため、より適した解決策を模索いたします。

 今回の可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」については技術移転後にブラッシュアップと製品化に向けて各種機能の再検証、量産向けの再設計、防水機能の付与を行いました。
 結果として、小型化、軽量化、無線化を実現させた量産を可能としました。

可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」

量産化した可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」

可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」の浸透に向けて


【救える命を増やすために】


 災害時にヘリポートが夜間照明を有していないために、苦しまれてきた方は多くいると思います。

 日清医療食品の本業は病院や介護施設への食事サービスの提供です。

 そのサービス内容からこの可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」は遠く感じるかもしれません。

 けれど、毎年なんらかの災害が発生しており、中には孤立した地域が支援を待っていることもあります。

 日清医療食品の使命は365日3度の食事を提供することです。ただ、大規模災害においては複数の企業の協力が必要になります。

 今回はその一旦として災害時の支援体制が変革するターニングポイントになればと思っています。

 この可搬型ヘリポート夜間灯火を販売するヒラタ学園ではすべての地方自治体に配備されることを目的としています。時間はかかるかも知れませんが、導入の促進を願っています。

可搬型ヘリポート夜間灯火「ヘキサゴン」

※所属・役職名は会見時になります。会見日:2月18日

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