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CSR/社会貢献活動の取り組み

病院経営と病院食ついて病院経営と病院食ついて

掲載日:2018年05月10日
ステークホルダー : 業界
キーワード : 有識者コメント 病院経営 病院食 給食業界

病院経営と病院食ついて|病院新聞社 編集企画課 課長 原國幹彦様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営にするため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケ―ションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、医療・介護施設経営の羅針盤、病院経営者向け全国随一の専門紙である病院新聞社 編集企画課 課長の原國幹彦様に病院経営と病院食についてインタビューを行いました。

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病院新聞社 編集企画課 課長の原國幹彦様

※インタビューに答えていただいた、病院新聞社 編集企画課 課長の原國幹彦様

Q.病院新聞について教えてください。


【創刊までの歴史】


当社は1966年9月に全国自治体病院協議会や日本病院会、全国公私病院連盟などのご賛同を得て、専門紙「病院新聞」を創刊しました。以来50年余りに渡って、病院経営者層を中心とする多くの読者の皆様にご愛読いただいております。

【病院新聞について】

※病院新聞社 HPより

 紙面は、厚生労働省を中心とする行政情報や医療系団体の動向、新病院の開院レポート、最新の医療機器の紹介などの記事で構成されています。

 最新情報をコンパクトにまとめ、いち早く報じることで、病院経営に寄与できればと考えています。

 近年では医療・介護連携など大規模な改革が進められており、混迷の時代を生き抜く病院経営者の羅針盤としての役割を弊紙が果たせるよう紙面編集に努めてまいりたいと思っています。

【日清医療食品とのつながりについて】


 1986年3月に厚生省より「病院における給食業務一部委託について」の通達が出され、給食受託業務を開始した企業が多くあります。

 それまでの病院食は「(提供が)早い、(料理が)冷たい、(味が)まずい」と言われていました。このイメージを変えるために、1989年1月に病院納入給食業者、全国81社が参集して「日本メディカル給食協会」が結成されました。

 1993年2月の医療法施行規則の改正により病院給食の外部委託が認可されたことによって、病院や特別養護老人施設、老人保健施設からの委託は年々増加傾向ですが、その中でトップシェアを維持する日清医療食品様の取り組みは業界の今後を判断する際に大変参考になることが多いです。

Q.病院給食の委託化のメリット・デメリットを教えてください。


【委託解禁当初】


 病院給食の委託が解禁された当初は人件費の削減が出来るというコスト面が注目されていました。また、複数の病院施設を請け負う企業は食材の集中購買を行うことで食材費の削減も見込めました。

 ただ、今後はそうした経費削減という面だけでなく、戦略的な委託を考えるべきでしょう。

2002年 日清医療食品 社内報「悠翔」より

※2002年 日清医療食品 社内報「悠翔」より

【委託化をメリットに繋げるために】


 病院給食を委託化すると、確かに民間事業者による効率的な運営で、費用削減や効果的な運用を期待できます。

 けれど、専門的技術を有する人材の確保や食材費の高騰、消費税増税などの影響で、委託することが必ずしもコスト削減にはつながらなくなりました。

 そのため戦略的に給食会社に委託をすることが求められます。

 2010年4月から栄養サポートチーム(NST)加算が導入されましたが、加算予定がない、もしくは検討しているが時期は未定という施設もまだ多くあります。

 これはNSTの専従者の負担が非常に大きく、書類記入の量や煩雑さ、患者への説明内容に十分に配慮する必要があることなど、解決すべき問題は多いのが現状です。

 そのため、厨房業務については専門業者に委託して、病院所属の管理栄養士は病棟に上げて、本来の職務に専念させるようにすることが望ましいと考えています。

【災害時におけるメリット】


 委託化のメリットとしてもう一つ挙げたいのが災害対応における取り組みです。特に日清医療食品様は災害時でも食事提供を継続するために様々な取り組みをされており、大規模な訓練も実施されています。

 私自身も取材させていただきましたが、ヘリコプターを使用した緊急物資の空輸訓練や、行政と連携した訓練などは、なかなか病院の直営ではできない体制だと思います。

ヘリコプターを使用した訓練

※ヘリコプターを使用した訓練

【委託化のデメリットについて】


 ただ一方で委託をすることで、厨房と患者様との距離が出来るのは事実だと思います。

 その距離をどう施設と受託会社とで縮めるのかがポイントになると思います。

 取材を通じて感じるのは施設側と委託先の連携が上手くいっているところが、良い食事を出しているように感じます。

Q.病院経営の今後について教えてください。


【高齢者は増えるが病床数は減少傾向】

病院新聞社 編集部 記者の原國幹彦様

 平成30年度の診療報酬改定は、団塊の世代が75歳以上となる2025年とそれ以降の社会経済の変化へ対応するため、質が高く効率的な医療提供体制の整備とともに新しいニーズにも対応できる質の高い医療の実現を目指しています。

 特に今改定は、介護報酬との同時改定に加え、第7次医療計画と第7次介護保険事業計画のスタートなどとも重なり、医療界では「惑星直列」とも称される歴史的な改定となっています。

 診療報酬改定の基本的な視点は、①地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進②新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実③医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上―の4項目です。

 この中で今後の病院経営を考えるうえで大きなポイントとなるのは、「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」です。

地域包括ケアシステムの姿

※厚生労働省HPより 地域包括ケアシステムの姿

 特に入院医療の評価体系を大きく見直し、急性期病床の転換・削減が進められようとしています。また、介護施設となる「介護医療院」が新たに創設され、療養病床の転換も図られることになります。

 これら政策の狙いは、入院医療から在宅医療へのシフトです。2025年までに医療費の増加が予測されるため、地域全体で高齢者の医療・介護に対応していくことになります。地域への配食サービスの役割の重要性も高まっていくのではないでしょうか。

【地域格差と人材不足】


 また、今後の病院経営で大きな課題となっているのが、医師の働き方改革への対応です。

 「医師は果たして労働者なのか」「研修医の自己研鑽も労働時間なのか」など、今、まさに議論が活発に行われています。

 働き方改革に対応するためには医師の数が決定的に不足するため、タスクシフティングが欠かせず、医師事務作業補助者のさらなる活用などが期待されています。

 最近の動きでは、病院団体から独自の医師労働法制を求める声も挙がっています。

 医療界全体でみると医師の地域偏在と診療科偏在の解消が長年の課題となっています。

 解消策として、医師の少ない地域への勤務を将来の病院管理者の要件にするなどのインセンティブも検討されていますが、効果を疑問視する声も聞かれます。

 また、平成30年4月からスタートした新専門医制度では、採用・登録者が東京に集中したことが問題視されるなど、改善に向けた今後の動向が注目されます。

Q.今後当社に求めるものがあれば教えてください。


【病院食のイメージを変える】


病院新聞社 編集部 記者の原國幹彦様

 「病院新聞」の創刊から50年余りで病院食はかなり変わりました。けれど、いまだに世間でのイメージは「病院食=おいしくない」が定着しています。

 ぜひ、リーディングカンパニーであります日清医療食品様には病院食のイメージを変えるための行動をとっていただくとともに、更なる病院食や介護食の改善に努めていただきたく思います。

 また、地域包括ケアシステムの実現に向けて栄養と食事が大きなポイントになると指摘されています。

 貴社の「食宅便」など、配食サービスの拡充も欠かせません。地域の高齢者の方が食事を楽しみながら、安全・安心だけではなく、健康が維持できるよう、特に長らくメディカル業界で活躍されている貴社だからこそできる「食宅便」を強化していただければと思います。

 加えて、介護食として革新的な商品である「モバイルプラス やわら御膳」は摂食嚥下困難な高齢者が食べる喜びにつながる食事でもあります。

 ぜひとも一般家庭にも普及できるような取り組みを検討いただければと思います。

【働き方改革の一助として】


 医療界にも働き方改革として業務の見直しが起きてきています。その中で、日清医療食品様の「モバイルプラス」は病院スタッフの作業時間を短縮することが可能な商品でもあります。

 更なる活用方法を見出していただき、医療界の労働生産性の向上の一助として更なる活躍を期待しています。

※所属・役職名はインタビュー時になります。

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