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2018年09月19日 お知らせ

医療再編で誕生した災害拠点病院 と 民間企業によるヘリコプターを使用した 新潟地震想定 災害訓練実施

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2018年9月19日 09:00
新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院
日清医療食品株式会社

 魚沼基幹病院(病院長:内山聖 所在地:新潟県南魚沼市浦佐4132番地)と、日清医療食品株式会社(代表取締役会長兼社長:菅井正一 所在地:東京都千代田区丸の内2丁目7番3号/以下、日清医療食品)は、9月28日(金)に新潟地震を想定した陸路・空路を活用した災害訓練を実施いたします。

魚沼基幹病院は、魚沼医療圏の医療再編(※1)によって誕生しました。平成27年の医療再編以降、それまで魚沼医療圏にはなかった三次救急や高度医療を提供し、救命率の向上に取り組んできましたが、災害拠点病院(※2)としての役割も担うこととしました。現在、災害への対応力を向上させることで、「いざ」という時の域内救命率向上としての役割が果たせるよう取り組んでいます。

日清医療食品は、病院給食会社最大手であり、全国に17箇所の倉庫に災害時備蓄および、ご契約先事業所においては日清医療食品ないしご契約先事業所において3日分の備蓄食の配備を実施、また民間航空会社4社と契約等、病院への災害時搬送に備えています。各地の自治体等と協力し、災害訓練を実施しています。

全国的に未曾有の災害が起きている今、災害訓練を実施します。(訓練詳細は資料2参照)
そして、医療再編を進めるこの地域で、大規模災害に備えた訓練(資料1参照)を実施することで、救命率アップに取り組むほか、両者にとってお互いの知識や経験、情報網などを活かし、検証し、地域の安心・安全に寄与することを目指します。

(※1)医療再編とは
人口構造変化等の2025年問題を控える中、厚生労働省は、病院の役割分担、病院同士の連携強化を目指している。その一環で行う既存病院の規模や機能等の見直しを医療再編というが、魚沼基幹病院がモデル例として提示されている。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyou_kaikaku/dai8/shiryou1-2.pdf
(「地域医療構想の進捗等について」厚生労働省 平成30年5月28日)

(※2)災害拠点病院とは
災害時、他病院で診療困難となった際の域内最後の砦となるよう、災害時に多数の患者に対応する能力や事業継続能力(施設の耐震構造、自家発電、受水槽や停電時でも使える井戸による水の確保等) が求められている。

【9月28日 取材スケジュール】

(訓練の状況により時間は前後する可能性があります)

11:00~11:30 受付*正面玄関近くに受付を用意しています。
受付後に広報担当が案内に伺います。
11:30~11:45 トラックによる支援物資の搬入、積み降ろし作業(取材可能)
場所:1階 トラック搬入口
12:00~ 支援物資による調理準備 モバイルプラス120食(取材可能)
場所:5階 西5病棟
12:30~12:45 ヘリコプターによる支援物資の搬入(取材可能)
場所:9階 屋上ヘリポート
14:00~15:30 非常食の試食(取材・試食可能)
場所:5階 西5病棟
15:30~16:00 記者説明会(取材可能)
場所:1階 多目的ホール
(登壇者)
・魚沼基幹病院
内山病院長、恩田栄養管理科長、橋口事務部長
・日清医療食品
菅井社長(災害対策委員長)
関根課長(災害対策委員)、川崎課長(災害対策委員)

※メディア控え室を2階 中会議室に設けています。

実施機関紹介

魚沼基幹病院
魚沼医療圏域(二次医療圏)は人口10万人当たりの医師数が全国平均の半分であり、高度医療や救急医療を他圏域に頼っていた。「地域で一つの病院」を目指すべく、医療圏域内において医療再編を行い、平成27年開院。救急医療やがん治療等高度医療を引き受け、救命率向上に取り組んでいる。

日清医療食品
医療・福祉施設向・保育園などに特化した食事サービスの提供を行っており、この分野で最大手の企業となります。病院等の施設からの受託件数は合計5,300件以上で、1日120万食以上の食事サービスを提供しています。

以上

【本件に関する問い合わせ先】

新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院 事務部総務課
TEL:025-777-3200  [担当:米山]

日清医療食品株式会社 総務部広報課
TEL:03-3287-3619(直通)  [担当:神戸]

資料1

日清医療食品は、毎年各地で災害訓練を実施しています。全国で地域医療を行う病院・災害拠点病院は数多い(※)が、今回はなぜ、魚沼基幹病院で行うのか?
(※全国だけでなく、県内には、他にも受託先はある)

理由1 →医療再編を行い、救命率が向上している地域だから



→魚沼医療圏では、医療再編にともない、救急時の圏域外搬送が減少。魚沼基幹病院は、救急医療・高度医療・災害医療を担うことで、救命率向上に取り組んでいます。現在も、魚沼地域の災害対応機能向上・救命率向上を目指していますが、本訓練はその一環です。

理由2 →過去2回大規模災害が発生しており、今後も発生する可能性があるから

2004年(平成16年)10月23日   新潟県中越地震(M6.8)
十日町市、魚沼市(※)で震度6弱を観測
南魚沼市、津南町(※)で震度5強を観測

2007年(平成19年)7月16日    新潟県中越沖地震(M6.8)
南魚沼市で震度5強を観測
魚沼市で震度5弱を観測

※地震発生時は、市町村合併前であり、市町村名は異なる。

資料2

1 災害想定について
災害想定:新潟にて震度7の地震が発生
インフラ:電気・水道・ガスのすべてのライフラインが寸断
道路状況:一部寸断
支援内容(陸路):埼玉倉庫から魚沼基幹病院へ支援物資搬送
支援内容(空路):神戸空港から亀岡工場で支援物資を搭載し、魚沼基幹病院へ支援物資搬送

2 災害想定詳細
長岡平野西縁断層帯を起因とし、2004年の新潟中越地震および2007年の新潟中越沖地震に準ずる。M6.8、震度最大7を想定。
主幹線道路が一部不通、市内の全域ないし広範囲において停電、断水、ガスの不通を想定。電話回線は輻輳している状況。
ただし、関越自動車については過去2回の地震時に準じ、速度制限はあるものの通行可能と判断。
災害発生時は9月26日13時半とし、2日後の28日の支援として計画しています。

※工場での追加生産や、配送などから発生から支援まで時間がかかると想定しています。支援物資到着までは自助対応として魚沼基幹病院内の備蓄食材(備蓄量は3日分)で食事提供をすることを想定しています。訓練当日では、備蓄食材の提供、盛り付けも予定しています。

3 支援について(陸路)
通常、新潟エリアには日清医療食品 長野倉庫(所在地:長野県上高井郡)から魚沼基幹病院へ配送していますが、災害想定および過去2回の地震での影響から、長野倉庫からではなく、埼玉倉庫(所在地:埼玉県さいたま市)から配送することを決定。

また、支援物資として、日清医療食品 ヘルスケアフードサービスセンター岩槻で製造しているモバイルプラス※1、および刻まない介護食 モバイルプラス やわら御膳※2、ガスコンロ、ガスボンベ、流動食、ワンウェイ食器(使い捨て食器)※3、水、おかゆ等を選定。

※1モバイルプラス:
セントラルキッチンでクックチル方式にて調理した食事を施設のニーズに応じ、真空パックにして配送するサービス。
※2モバイルプラス やわら御膳:
セントラルキッチンでクックチル方式にて調理したモバイルプラスの中で、「噛む」「飲込む」をサポートした高齢者にやさしい「刻まない介護食」
※3ワンウェイ食器:
使い捨て食器。今回、訓練で使用するのは日清医療食品の省力化商品であるワンウェイ食器であり、平常時でも使用できる使い捨て食器。

※過去訓練での調理風景 ※モバイルプラス画像(例)

4 支援について(空路)
神戸空港から日清医療食品 ヘルスケアフードファクトリー亀岡(所在地:京都府亀岡市/以下、HFF亀岡)へ飛来。日清医療食品関西倉庫(所在地:大阪府高槻市)から流動食、水、おかゆ等をHFF亀岡まで搬送し、HFF亀岡で製造しているモバイルプラスとあわせてヘリコプターに搭載。

HFF亀岡から魚沼基幹病院までヘリコプターで支援物資を空輸する。

※魚沼基幹病院 屋上ヘリポートに着陸しますが、救難救護での対応も想定し、エンジンは切らずにヘリコプターから支援物資を荷卸します。スタッフは安全講習済みですが、撮影者は係りに従い行動ください。

5 陸路・空路の活用の背景について
陸路での支援物資の配送を基本としていますが、道路状況による遅配や、二次被害、余震等の影響により災害状況は刻々と変化いたします。そのため、陸路だけでなく空路での支援も並行して実施いたします。

6 搬送する物資量

陸路 空路 合計
モバイルプラス 60食 60食 120食
やわら御膳 60食 0食 60食
白粥 144食(40kg) 0食(0Kg) 144食(40kg)
濃厚流動食 MB1.0 200ml×24本×4箱
MB2.0 200ml×24本×4箱
MLミニアソートボックス 125ml 8種×3本×4箱
19.2Kg
19.2Kg
12Kg
96リットル 72リットル 168リットル
カセットコンロ 6基 6基
カセットボンベ 30本 30本
ワンウェイ食器  280ml S小鉢
160ml S小鉢
8㎝小皿
飯碗
飯椀蓋
 280ml S小鉢
160ml S小鉢
8㎝小皿
飯碗
飯椀蓋

※カセットボンベについてはヘリコプターで空輸するのは安全面から禁止のため空輸はございません。
※陸送では他に缶詰(いわし蒲焼缶 1400g×2缶・フルーツカクテル缶510g×5缶)を搬送。

7 使用するヘリコプターについて

機種:ユーロコプター EC 135    用途:人員輸送他
定員: 最大7名            全長: 10.20m  全高: 3.51m
ローター直径: 10.20m        空虚重量: 1,455kg
有効搭載量: 1,455kg
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