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廃食用油で“空を飛ぶ未来”へ—Fry to Fly Projectの取り組み報告

廃食用油を未来のエネルギーへ変える挑戦
日清医療食品株式会社は、病院や介護施設、保育園等から生まれる廃食用油を活用した持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)製造を目的とする「Fry to Fly Project」に参画しています。本プロジェクトは、国内初となる“純国産”のSAF製造を実現することで、給食業界の新たな社会貢献の形を示し、脱炭素化社会の実現を目指しています。Fry to Fly Projectとは?
2024年度 廃食用油回収実績
2024年度、日清医療食品は全国の受託施設から廃食用油の回収を行い、以下の具体的な成果を達成しました。
●取引回数:全国の病院や福祉施設、保育園から4,197回の回収を実施
●回収総量:123,518リットル
当社はFry to Fly Projectへの基本合意から1年半が経ち、順次、廃食用油の回収事業所が増えていく中で、まだまだ道半ばですが当社にとって、この実績は、持続可能な社会実現へ向けた重要な一歩となりました。
“純国産”SAFが空を舞う日—関西空港から旅客機が離陸
2025年5月、長年の取り組みの結晶が、ついに空へと舞い上がる瞬間を迎えました。廃食用油を原料として製造された“純国産”SAFを使用した旅客機が、関西空港を離陸し中国・上海へと向かったのです。このフライトは、日本で初めて純国産SAFを旅客機に導入した歴史的な出来事であり、当社も微力ながら病院や介護施設で集めた廃食用油が脱炭素化社会の実現に寄与することを実証しました。このフライトを可能にしたSAFは、大阪府堺市に建設された日本初の国産SAF大規模生産プラントで製造されました。本プロジェクトによる年間最大約100万リットルのSAF製造は、これからも持続可能な航空燃料の利用促進を牽引していきます。SAFFAIRE SKY ENERGYが製造するSAFを供給開始へ
取り組みの背景と目的—給食業界の未来を切り拓く
当社は日々約130万食を全国の病院、介護施設、保育園等に提供しており、業界シェアトップとして医療インフラを支えるリーディングカンパニーです。その中で生じる廃食用油は“無駄”として扱われるものが多くあります。そこで当社は、廃油の再資源化による環境保全に貢献する取り組みを、協力企業である日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYとともに推進しています。「廃食用油の供給および利用に関する基本合意書」を締結
このプロジェクトを通じて、廃食用油をSAFへと生まれ変わらせ、以下のような意義を提供しています。
1.脱炭素化社会の実現: CO2排出量削減を通じて持続可能な地球環境の保全
2.廃資源の有効活用: 給食業界における資源循環のモデル構築
3.社会啓発と普及活動: 社内外へのサステナブルな意識の拡大
未来への展望—誰もが貢献できる社会へ
「Fry to Fly Project」は、病院給食/介護給食業界のリーディングカンパニーとして当社の社会的責任を果たす新たなステージであり、社員一人ひとりが脱炭素化社会構築に向けた取り組みに関わる機会を提供しています。廃食用油の継続的な供給を通じ、未来を意識した循環型社会の構築を目指し、これからも環境負荷の軽減を実現していきます。
日清医療食品は、「食」を通じたヘルスケアと環境への貢献を両立する企業として、持続可能な未来の実現へ向けた挑戦を続けます。