SPECIAL
仕事と仲間。
一生ものの、一年がある。
一心館 研修生座談会
ISSINKAN TRAINEE ROUNDTABLE
Profile
参加者プロフィール
奥村亮介
(2020年入社)
冨塚優花
(2020年入社)
金子卓生
(2020年入社)
松本莉奈
(2020年入社)
#社会に出る前に、
失敗しておく場所。
研修が1年間に及ぶことを知って、どう思いましたか?
松本
本当に人を大切にしている会社なんだなと思いました。新人をしっかり育ててから、お客様のもとへ出す。その姿勢から、私たち社員はもちろん、お客様も大切にしていることが伝わってきました。
金子
1年と聞いた時にはびっくりしましたが(笑)、魅力的な制度だと思いました。社会のことをまったくわからないまま仕事を始めるのは、やっぱり不安。1から鍛えてもらえる場があるのは心強かったです。

さまざまな研修を受けたと思いますが、特に印象に残っているのはどれですか?
冨塚
いろいろありますが、ひとつは営業ロールプレイング(※1)ですね。
松本
最初は失敗ばっかりでしたけど(笑)。
奥村
名刺交換から始めるんですが、何を言えばいいのかわからなくて、相手を見つめたまま固まってしまいました(笑)。でも、その状態から段階的にスキルを身につけていけたのはよかったですね。どう雰囲気を和ませて、どう自分のことを知ってもらって、関係を強めていくか。マニュアルが用意されていない分、自分で考えて実践できたのが効果的だったと思います。
松本
うまくいかない時には不安しかありませんでしたが、「こうすればいいのか」という改善点が見えてくると、だんだん楽しくなってくる。
冨塚
知識が増えると楽しいですよね。以前は、「これで合ってたっけ?」と探り探り言葉を選んでいましたが、スラスラ喋れるようになって。
金子
先輩の教え方も丁寧でわかりやすいんです。よかったところと改善すべきところを、必ずセットにして伝えてくださるので受け入れやすい。何より、お客様役をやってくださった先輩社員が一心館の卒業生であることが大きいと思います。私たちがどんな気持ちなのかを察した上でアドバイスをいただけました。
松本
もしロールプレイングがないままでお客様を訪問していたらと考えると、怖いです(笑)。実際のお客様を相手にトライ&エラーを繰り返したら大迷惑ですが、ロールプレイングはむしろ、「いくら失敗してもいい場所」。ダメだったとしても「じゃあ、次はこうしてみよう」「こんな話し方をしたらどうなんだろう」と、前向きにいろんなパターンを試せました。
【※1:営業ロールプレイング】
先輩社員や外部研修会社の担当者を相手に、病院訪問などの具体的なシチュエーションを設定して営業の手法を学ぶ。名刺交換からヒアリングのノウハウ、まだ具体的な提案内容まで、自ら考えながらトライ&エラーを繰り返し、実践的に身につけていくことができる。
#3年の部活を、
5日に凝縮したような密度。

「組織実習(※2)」では、かなり本音をぶつけ合ったようですが。
松本
プレゼンを通じてチームやグループが競い合うんですが、プログラム名の通り、組織としての強さがものすごく試されるんです。適材適所の役割分担をして、それそれが実力を発揮しないと組織そのものが成り立たない。それなのに、なかなかチームワークが築けなくて。
冨塚
新人同士が顔を合わせて、まだ2か月くらいの頃でしたよね。ちょっとした会話はするけど、そこまで仲よくはなっていない。
松本
うわべだけのコミュニケーションになってしまうんですよね。私がいたチームも、最初はなかなか噛み合わなくて結果が出せませんでした。さすがにこのままではよくないと、本音を遠慮せずに語り合う場を設けたんです。それをきっかけにチームが大きく変わりましたね。意見が自然と言葉になって出てくるようになったし、誰もが自分ができることを探し、率先して取り組み始めました。「チームワークって、こうやってつくるんだ」という、実際の仕事でも活かせそうな発見でしたね。
奥村
同じチームだったけど、松本さん、5日間ですごく変わったよね。
松本
奥村さんと一緒に副リーダーを務めたんですが、もともとそんなタイプじゃないんですよ(笑)。人見知りだし、意見するのも苦手だったし。本音を言い合える関係性ができて、思い切ってアイデアを出すと「おかげでうまくいったよ」というリアクションが返ってくるようになって、自信がついたおかげです。
奥村
私も副リーダーになることで、自分の強みが発見できた気がします。副リーダーって、どっしり構えて、指示を出すというスタイルの人も多いと思います。けれど私は、自分から動き回るほうが性に合っていました。会議室で指示を考えるだけじゃなくて、直接相手と係わり、、この目で見たことをもとに考えるのが向いているんでしょうね。……それにしても濃い5日間でした。野球部時代を思い出しましたね。部活では3年かけて関係性をつくり、目標を達成していくわけですが、それを5日間に凝縮したみたいで(笑)。
【※2:組織研修】
組織運営を5日間で凝縮して学ぶ。研修生全員が2つの組織に分かれ、さらにそれぞれの組織内でマネジメントチームと実働チームを設定。マネジメントチームを中心に新事業をテーマとしたプレゼンテーションを行い、そこに至るプロセスも評価対象に加えた上で勝敗を決する。
#いちばん楽をするのが、
いちばんのリーダー。
リーダーを務める機会は多いんですか?
金子
そうですね。私は内定式準備(※3)でリーダーに立候補しました。 組織実習などでほかのリーダーたちを見ていて、なんとなくですが自分の中に理想のリーダー像ができてきた。それを実践してみたかったんです。得られる経験値もかなり違うだろうと思いました。

それはどんなリーダー像?
金子
それまでは、何でもできるスーパーマンがリーダーにふさわしいのかなと思っていました。けれど一人でできることには限界があるし、あまりにその人の色が出過ぎてしまうデメリットもある。そうではなくて、人を巻き込む力こそがリーダーシップなんだと一心館で気づいたんです。究極を言えば、いちばん楽をしているのがいちばんいいリーダー。人を動かす言葉や環境のつくり方を熟知している、ということですから。
冨塚
そこは本当にうまかったと思う。誰かに意見する時、私はどうしても言葉がキツくなりがちなんですが、そんなときは金子さんに頼りました。リーダーという立場から「みんなで頑張ろう」というトーンで伝えてもらえて助かっていました。
金子
いや、内心は大変だった(笑)。人によってモチベーションに差が出るのは仕方ないんですが、それでも全員に意欲を持ってもらうにはどんな言葉がふさわしいのか、試行錯誤ばかりで。
冨塚
確かに、私から見てもちょっと溜め込んでいるように見えましたね。そのあたりは、私自身のリーダー経験を活かしてサポートするように心がけていました。リーダーだった時に「これをやってもらえたら助かるのに」と思ったことを、金子さんに言われる前に実践しようと。実は、そうなれたのも私にとっては大きな変化です。もともと私は、リーダーじゃなくても、いつのまにかリーダー的になってしまうところがありました。でも、それは違うなと思い始めたんです。適材適所をチーム全体で考えた上で、自分がすべきことを考えよう、と。その気づきをだんだん活かせるようになってきました。
奥村
そのサポートのおかげもあったと思いますが、金子さんのリーダーぶりは好評でした。
金子
本当に? 嬉しいですね。そんなふうに言われたことがなかったので。
冨塚
こういう場でもないと言わないよね(笑)。
【※3:内定式準備】
コロナ禍を受けて対面での内定式が中止となったため、内定者に対し一心館研修について紹介するためのツールづくりが新人に託された。研修内容からプライベートまで、映像やパワーポイントを駆使したツールを1から企画・実行した。
#自分にも相手にも、
素直でいられる関係性。

同期のつながりも強そうですね。
松本
仕事仲間でもあり、友達でもありますね。どうしてこんなに仲よくなれたのか考えてみたんですが、研修での失敗など、恥ずかしい姿をこれ以上ないくらい見せ合っているからですね(笑)。今さらカッコつけてもしょうがないから、自然体でいられるんでしょうね。
冨塚
いいところはもちろん、お互いのフィードバックも気兼ねなく伝えられるし、素直に受け止められる存在ですね。周囲には自分がどう見られているのか、改めて知ることができる。
奥村
ある意味、自分に素直でいられる関係性だと思います。「これを言ったら傷つけてしまうかもしれない」「でも、本人のためには言うべきなのかな」ということを、ためらわずに口にできる。そこは私自身が変われた面でもありますね。
松本
年代が同じで、学んでいることも同じだから、お互いに刺激になりやすいのもありますね。先輩だと「勝てないな」で終わってしまうかもしれませんが、同期だから「自分も頑張らなきゃ」と思える。
金子
私は本当に負けず嫌いなので、同期から受ける刺激はものすごく大きいです。実は、理想のリーダー像を描くヒントになったのも冨塚さんなんです。Zoom研修(※4)の時のチームリーダーが冨塚さんだったんですが、メンバー一人ひとりのよさをしっかり引き出して、成果につなげていたのがとても印象的で。学生時代は、どこかで「自分さえうまくいっていればそれでいい」と思ってしまっていましたが、そうじゃないんだと目が覚めました。今は、この一心館で学ぶ同期全員で、「先輩たちよりよかった」という評価を受けるようになりたい。そこまで視野が広がっていますね。
【※4:Zoom研修】
Zoomを介して行われた最初期の研修。新型コロナウイルスの流行状況を受け、急遽導入されたもの。ビジネスマナーや仕事の進め方といった基礎を学べるほか、「社内運動会の企画」など、テーマに基づいてチームで協働するプログラムも用意されている。本来は全ての研修は対面にて実施されている。
#自分と向き合う。
新しい自分が見えてくる。
一心館での経験は、みなさんをどう変えたのでしょう?
金子
自分と向き合えるようになりましたね。研修を重ねるほど、いい自分も、嫌な自分もはっきりと見えてきます。過去の私ならきっと、嫌な自分からは目をそむけていたはず。でも、どんな自分とも逃げずに向き合うことで、どうすれば理想の姿に近づけるのかを考えるようになりました。
冨塚
私も、自分の強みと弱みをはっきりと知ることができたのが収穫です。グループワークなどのみんなで力を合わせるシーンでは、自分に適している役割をこれまで以上に見つけやすくなりましたね。
松本
私は性格そのものが変わったかも(笑)。今までは引っ込み思案で、誰かのあとをついていくタイプだったんです。真面目すぎるところもあって、「こうしないとダメ」「こうしないと怒られる」という思い込みが激しかった。それがどんどんチャレンジする性格に変われたのは、一心館という「失敗しても良い場」があったから。失敗しても、きちんと振り返ったり、アドバイスを受けたりすることで次に活かせる。失敗は成長の源泉だと知ることができたんです。だから今は、機会があれば逃さずに挑戦したいし、回り道も怖くありません。
奥村
私がいちばん変わったのは、自分に素直になれたことです。今までは「誰かのために」という気持ちが行動のきっかけになっていました。「誰かを困らせたくないから先にやろう」「誰かが傷つくと困るから言わないでおこう」……そのせいで、自分のことをちゃんと伝えられなくなっていた。でも、自分の考えをはっきり主張することで、コミュニケーションが深まったり、議論が前に進んだりすることもあるのだと気づきました。
未来の一心館生へ、伝えられる事はなんでしょうか?
金子
社会人として本格的に動き出す前に、自分をちゃんと知ることができるのは本当にありがたいですよね。これから一心館に入る人にも、ぜひこの機会を活用してほしいと思います。
松本
いきなり仕事の最前線に出ると、「失敗できない」という気持ちがどうしても強くなると思います。でも、失敗を重ねてこそ初めて果たせる成長もきっとある。一心館はそれを可能にしてくれる場所ですから、ぜひ前向きな気持ちで臨んでほしいです。
冨塚
自己分析はもちろん、実務的な面でも多くの成長がありますよね。私の場合は、資料づくりが進歩したかな。パワーポイントにしても紙の掲示資料にしても、同期の実例を見ながら「こうすればもっと見やすくなる!」といったセオリーを自分の中に蓄積できました。
奥村
そうですね。基本的なビジネスマナーや会社についての知識を、確実に身につけられることも一心館のよさですね。そう考えると、一心館での研修には死角がまったくないですね。研修だけで1年間と聞くと「長いな」と思うでしょうし、私たちも最初はそうでした(笑)。でも、心配せずに飛び込んできてほしいと思います。その意義の大きさを、すぐに実感できるはずですから。