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CSR/社会貢献活動の取り組み

口腔ケアで健康に口腔ケアで健康に

掲載日:2017年11月13日
ステークホルダー : 地域社会
キーワード : 口腔ケア 有識者コメント

口腔ケアで健康に|ユウデンタルクリニック 医院長 笠松様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営にするため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケ―ションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、江東区で訪問歯科診療をされていますユウデンタルクリニックの医院長の笠松恵子様にインタビューを行いました。

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ユウデンタルクリニック 医院長 笠松様

※インタビューに答えていただいた、ユウデンタルクリニック 医院長 笠松様

Q.訪問歯科診療について教えてください。


【訪問歯科診療とは】


 従来の外来での歯科診療は、患者様が医療施設に来所して、治療を受けていただいていました。

 けれど、高齢により通院することが困難な方や、障害があり通院が困難な方も社会にはおられます。

 通院困難な方のご自宅や老人ホーム、病院等を訪問して、外来診療と同じように歯科診療を行うのが訪問歯科診療と言います。
 そのため、かなりの機材を持参しています。

持ち運ばれている機材の一部

※訪問歯科診療専門のポータブルユニットの機材の一部の画像。他には簡易レントゲンなどの機材も持参しています。

【訪問歯科診療の重要性】


 訪問歯科診療の対象者は、「通院困難な方」に限定されます。

 要介護の高齢者や歯を診てもらいたくても体が不自由で通院できない人こそ、口腔ケアが行いにくく、治療が必要なケースが多いです。
 訪問歯科診療という存在を知らずに、苦しまれている方がまだまだおられます。


訪問歯科でできること


治療
・虫歯治療 ・抜歯 ・歯周病治療 ・歯石除去 ・入歯作成、調整
予防ケア
・口腔ケア ・口臭改善 ・義歯、口腔清掃 ・ブラッシング指導
治療と並行して歯科衛生士による口腔ケアを行います。
リハビリ
・摂食・嚥下訓練、指導、VE検査
嚥下障害の疑いのある患者様に対しては、専門医が診断・評価を行ったのちに、個別のリハビリ訓練を開始します。 


Q.どうして訪問歯科診療を行おうと思ったのですか?


【歯科医からの転機-祖母・母の誤嚥性肺炎】


 もともとは外来での歯科医として勤務をしていました。出産、育児の間仕事から離れている中で、祖母、母が認知症から誤嚥性肺炎になり亡くなりました。

 歯科医として嚥下困難ということを身近に知りました。育児が落ち着き仕事に復帰する際に知人から訪問歯科診療に誘われました。家族のこともあり、訪問歯科診療という仕事につきました。

 当初は高齢者や疾病を持っている患者様を診療した経験が少なく不安でしたが、指導医の元経験を積みました。今では訪問歯科診療でのキャリアが14年にまでなりました。

【訪問歯科診療のやりがい】


 外来で歯科をやっている時は、歯科関係の人との繋がりが多かったですが、訪問歯科診療を行うようになり、ヘルパーさん、ケアマネージャーさん、栄養士さんなどと他職種の人と触れることが増え、同時に多くのことを学ぶキッカケになりました。

 今ではもっと多くの人に訪問歯科診療の存在を知ってもらいたいと思って行動しています。

 入れ歯が合わない、噛むことがうまく出来ないことからデイサービスに行かなくなった方が、私が治療や口腔ケアをすることで笑顔になりデイサービスに行くようになりました。

 外来診療をしている時も感謝をされていたと思いますが、訪問歯科診療を行うようになってから、患者様だけではなく、家族や周囲の人からも感謝をされるようになりました。

【口腔ケアの重要性】


 私たちの口の中は自浄作用が働いています。

 唾液の力で歯の表面や舌、粘膜に付いた汚れや細菌を洗い流し、清潔に保つというものです。

 しかし、高齢になり、身体機能が衰え、唾液の分泌量が減少すると、自浄作用が低下して、口腔内が清潔に保てなくなります。そのため、口腔ケアが重要なのです。

【自浄作用が低下すると虫歯や歯周病菌が増えて味覚も変わる】


 加齢によって歯茎が下がる、歯並びが変わることがあります。歯の根元がむき出しになると、その部分から虫歯になりやすいですし、自浄作用が低下すると今まで唾液で洗い流されていた細菌が増殖し、歯周病にもかかりやすくなります。

 また、自浄作用の低下は舌の表面に舌苔が付きやすく、味を感じにくくなったり、味覚が変化したりすることがあります。

 口腔ケアは、歯磨きや口腔内の洗浄で歯周病などを予防するだけでなく、摂食トレーニングや誤嚥性肺炎の予防といった高齢者の身体機能の回復につながります。

全国抜歯原因調査結果

※厚生労働省HPより 抜歯原因調査の42%が歯周病であることから歯周病予防の重要性がわかる。

【口腔ケアと誤嚥について】


 口腔内の機能が低下すると、食事を食べる時の「噛む」「飲込む」がうまく行うことができなくなります。

「噛む」については、入れ歯があっていないとうまく噛む事ができません。また虫歯や歯周病により歯がなくなったりしてもうまく噛むことができなくなります。

「飲込む」にはある程度口の中に入れた食べ物を固まり(食塊)にする必要があります。

 口腔内の機能が低下するとうまく固まりにすることができずに、誤嚥をしてしまうおそれがあり、安全に食事ができないと食欲が低下し、十分な栄養を摂ることができなくなります。

 口腔ケアを適切に行う事で、高齢者が「おいしく・安全に食べる」ことができるようになります。

【口腔ケアについて】


 口腔ケアには「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」があります。

 セルフケアは、歯ブラシなどを使って自分自身で口腔内を清潔に保つことです。

 プロフェッショナルケアは、歯科医や歯科衛生士などの専門家が口の中や全身の状態を見て、歯石・細菌・汚れの除去、口腔機能の維持と回復、日々の食生活の改善などを行うことです。

Q.口腔ケアのポイントを教えてください。


【口腔ケアは気持ちが良いと思ってもらうこと】


 口腔ケアをする上で2つ気をつけていることがあります。一つは口腔内をきれいにしても汚れを回収しないといけないです。

 ケアされていない口腔は雑菌が多くいます。きれいにしてもその雑菌が口の中に残っては意味がありませんし、その雑菌を誤嚥してしまうと誤嚥性肺炎になってしまいます。

 誤嚥をするから肺炎になるのではなく、雑菌によって肺炎になります。よく誤嚥する、うまく食事が飲込めないから食事制限をしたほうが、誤嚥性肺炎を防げるのではと思っている方もおられますが、いかに口腔内の細菌を減らすのかが重要になります。

 それに、誤嚥は寝ている際の唾液による誤嚥性肺炎のほうが危険です。

 もう一つ気をつけていることは、「口腔ケアは気持ちがいい」ということです。無理やり口腔ケアをしても当人がいやがり「もう家に来ないでくれ」と言われてしまってはどうしようもありません。

 口の中がきれいになって気持ちがいいと思ってもらえるように注意をしてケアをしています。

「またお願いします」と患者様に言われるとモチベーションがあがります。

※ユウデンタルクリニック パンフレット。

※ユウデンタルクリニック パンフレット。

Q.日清医療食品に求めるものがありましたら教えてください。



【老老介護の解決に「食宅便」を】


 訪問歯科診療を行っていると、老老介護(65歳以上の高齢者を同じく65歳以上の高齢者が介護している状態のこと)に出会います。

 特に奥さんの状態が悪く、旦那さんが料理できない家庭だと食事のケアが必要になります。

 老老介護が目立っていますが、実際現場では介護をする方もおられるけれど、日中仕事にいっていて、昼の食事が用意できない家族もおられますし、もちろん独居の方もおられます。

 安否確認にもなりますので非常に助かっています。

 また、食宅便はバラエティーに富んだメニューなのでおすすめしやすいです。

ユウデンタルクリニック 医院長 笠松様

※インタビューに答えるユウデンタルクリニック 笠松恵子様

※所属・役職名はインタビュー時になります。

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