「食」の側面から医療・福祉を見つめ支える日清医療食品。ヘルスケアフードサービス業界のリーディングカンパニーです。日清医療食品株式会社

CSR/社会貢献活動の取り組み

飢餓問題撲滅に向けて飢餓問題撲滅に向けて

掲載日:2016年03月28日
ステークホルダー : 地域社会
キーワード : SDGs 国際社会

食に携わる企業として|国連WFP協会 事務局長 鈴木邦夫様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営に資するため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケ―ションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、日清医療食品が支援している国連WFP協会 事務局長の鈴木邦夫様にインタビューを実施いたしました。

»国連WFP HPはこちら

» ステークホルダーとの対話一覧についてはこちら

国連WFP協会 事務局長の鈴木邦夫

※インタビューに答えていただいた、国連WFP協会 事務局長の鈴木邦夫様

Q.日清医療食品と国連WFP協会とのつながりを教えてください。


【国連WFP協会について】


 国連WFPとは国連機関であるWFP 国連世界食糧計画と、それを支援する認定NPO法人である国連WFP協会という二団体の総称です。

 WFPは飢餓のない世界を目指して活動する国連の食糧支援機関です。

 国連WFP協会は日本国内において、募金活動や企業・団体との民間協力を進め、日本における支援の輪を広げています。

 国連WFP協会は、国連WFPローマ本部との取り決めにより、寄付金収入のうち75%以上を途上国での支援活動のためにローマ本部に送金しており、残り25%(上限)は国連WFP協会が国内で行う募金活動、広報宣伝活動、管理費などの運営経費に活用しています。

 日本からの支援金で購入された食糧の袋には、日の丸ともに「日本の人たちからの贈り物」とメッセージが入っています。

 日本からの支援が届いているこごは現地の人々に良く知られ、感謝されています。

 ちなみに、日清医療食品様は2006年7月から国連WFP協会の評議会員として参画していただき、今年で参画11年目になります。

【飢餓問題について】


「飢餓問題」は解決することのできる身近な問題です。しかし、国連WFPの力だけでは解決できません。

 国連WFPの活動資金は、全て各国政府からの任意拠出金と民間企業や団体、個人からの寄付によって支えられています。

 国連WFPでは、企業・団体の皆様からのご支援を通じて、共に「飢餓問題」に立ち向かうことで解決に近づくことができると確信しています。

  日清医療食品様もこの社会課題であります「飢餓問題」への取り組みに対して食に携わる企業の社会的責任として参画頂いています。

※認定NPO法人とは・・・運営組織・事業活動が適正で公益の増進に寄与する団体として一定の要件を満たし、都道府県の知事または指定都市の長の認定を受けた法人のこと。

Q.飢餓問題について教えてください。


 現在、飢餓に苦しむ人々は世界で約7億9500万人います。

 すなわち、世界の9人に1人は健康で活動的な暮らしを営むための十分な食糧を得られないのです。

 しかし、飢餓は解決可能な問題でもあります。

 世界には、すべての人に十分な食糧があります。特に科学技術の大発見などがなくても、すでに今日ある知識や方法、政策、そして政治的な意思があれば飢餓問題は解決できるのです。

 飢餓の問題を解決することは、今日の難しい経済状況を打破するための大きな切り札となります。

 飢餓問題を解決し、人々の栄養改善に投資をしようとする国々が力を合わせれば、生産性が上がり、経済的にも好機が生まれます。

 逆に、子どもの栄養不良を放置すれば多額の経済的損失が生じるということが研究の結果わかっています。

 また、飢餓問題の解決は平和と安定にもつながります。

 国家が国民に対して十分な食糧を確保できない場合、国は不安定となり、崩壊の危機にさらされます。

 食糧供給が不安定になれば、治安も不安定になりがちです。

 さらに、飢餓問題を解決することは、衛生や教育問題など、他の開発課題の解決に向けての土台作りにもなります。

 十分な栄養を得ている母親が生む赤ちゃんはより健康で体重も重く、生涯にわたって強い免疫力を持つことができます。

 健康で十分に食べられている子どもはまた、就学の機会にも恵まれます。

 世界の飢餓人口は過去10年間で1億6700万人、1990~92年以降では2億1600万人減少しました。

 全体的に著しい改善が見られるものの、いくつかの地域では飢餓人口の削減において遅れをとっています。

 サハラ以南のアフリカでは、およそ4人に1人が慢性的な飢餓に陥っており、世界で最も人口の多いアジアもまた5億1200万人という、多数の飢餓人口を抱えています。

 飢餓をなくすため、世界が協力し合わなければなりません。

 市民の皆さん、企業のトップや社員の方々、政府など私たちすべてが一致団結し、飢餓のない世界をつくることが求められています。

【ハンガーマップについて】

ハンガーマップ

世界の飢餓状況を表した世界地図「ハンガーマップ」の2015年版を当HPにも公開しています。国ごとの栄養不足人口の割合を色分けして表した地図で、世界の格差が一目で分かります。

※ 「ハンガーマップ」のダウンロードは国連WFPウェブサイトから可能です。
»ダウンロードページはこちら

Q.飢餓問題に対する国連WFP協会の目標を教えてください。


【15年間で飢餓をなくす】


 2015年9月の国連総会で世界全体の新たな開発目標「持続可能な開発目標」が採択され、その目標の一つとして今後15年間で飢餓のない世界の実現を目指すことが決まりました。

 2000年に国連は世界の貧困削減と開発を目指した「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals,略称MDGs)」を掲げました。

 昨年末にMDGSの達成期限を向かえ、その成果と残された課題を元に策定されたのが「持続可能な開発目標(Sustaimable Development Goals,略称SDGs)」です。

 途上国だけでなく、先進国も対象に「貧困や飢餓に終止符を」「格差の解消」「経済や社会の持続的な発展」「気候変動の対処」など17の目標からなり「(開発から)誰一人取り残さない」社会を2030年までに達成することを目指します。

SDGs

 飢餓問題はMDGsでもSDGsでも目標として掲げられている、国際社会の共通開発目標の一つです。

 飢餓人口の割合の半減を掲げたMDGsでは、大きな成果をもたらし、1990年以降の23%からこの20数年間でおよそ13%へと半減できました。

 SDGsはこの成果を引き継ぎ、17の目標の一つとして「飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養改善を達成し、持続可能な農業を推進する」ことを目指していきます。

 その中で国連WFPでは、「飢餓ゼロ(Zero Hunger)」すなわち飢餓のない世界の実現を目指し、給食や現金支給などの生活保障、子どもの栄養改善、防災や緊急支援、農家支援などを引き続き行っていきます。

 新たに「未来はひとつ、飢餓をゼロに」というキャンペーンも立ち上げています。

»SDGsのロゴについてはこちらからダウンロードができます。

【根本的な飢餓問題の解決を目指して】

エッセイコンテスト

 国連WFPの究極的な目標は「国連WFPが必要のない世界をつくること」です。真の解決策は、ただ、食糧を配り続けることではありません。

 支援が無くても食べていけるような、強くて自立した家庭や地域を作っていくことが必要です。

 そのため、国連WFPは中長期的な支援活動として、学校給食、栄養支援、農民や女性の自立支援などの豊富なプログラムを展開し、人々が支援を「卒業」して自立し、持続可能な未来を築く手助けをしています。

 人々が自立して食べていけるようになると、教育や保健面など、他の開発分野でもよい影響があらわれ、国の発展に大きな効果が生まれます。

 例えば、食べ物に困ると人々は全財産を食費に使い、病院に通うのを辞めてしまったり、子どもを学校に行かせず働かせたりします。

 けれども、食べ物が足りていれば通院は続けられ、子どもも働かなくてもよくなります。
 健康で教育を受けた人が増えれば国全体が発展していきます。

 また、飢餓が広がると人間は不満を持ち、紛争が起きる原因になるとも言われています。飢餓問題の解決は、国の発展や平和の礎となるのです。

Q.国連WFPの日本のポジションについて教えてください。


 日本は国連WFPにとって最も重要な支援国のひとつです。

 世界有数の学校給食の歴史を持ち、戦後には食糧不足を経験した日本は、食の大切さを真に理解している国であり、国連WFPの重要な戦略パートナーです。

 2014年、日本からの支援として日本政府から約1億9,600万米ドル(約229億円)、民間から12億223万円が寄せられ、国連WFPの食糧支援に活用されました。

Q.その中で日清医療食品が担っている内容を教えてください。


【評議会員としての役割】


 国連WFP協会では多くの企業・団体および個人の皆様から世界の飢餓撲滅のためにご協力をいただいています。

 日清医療食品様は評議会員として参画をしていただき、当協会の発展のための助言、及び会費として運営経費をご提供いただいています。

【WFPウォーク・ザ・ワールド】

ウォーク・ザ・ワールド

©JAWFP

 国連WFP協会では多くの皆様に世界の飢餓の問題や国連WFPの活動について知っていただき支援の輪を広げるための取り組みを行っています。

 その一つとしてWFPウォーク・ザ・ワールドがあります。この活動は子どもたちの飢餓をなくすためのチャリティーイベントであり、2002年にTNT社(国際貨物・物流会社、本社オランダ)の社内チャリティーイベントとしてスタートしました。

 日本でも2005年より2011年を除き毎年開催しています。参加費の一部が寄付となり、国連WFPの学校給食プログラム※に活用されています。

 このチャリティーイベントに日清医療食品様は協賛いただき、また参加もしていただいています。

2016年は5月15日(日)に横浜で、5月29日(日)に大阪で開催します。ぜひ社員の皆様、ご家族、ご友人をお誘いいただきご参加ください。

»「WFPウォーク・ザ・ワールド 2016」HPについてはこちら

【WFPエッセイコンテスト】


 また他の取り組みとしてWFPエッセイコンテストがあります。
「食」や「飢餓」にまつわるテーマをもとにエッセイを募集する取り組みです。

 小学4年生以上を対象に2011年から実施していて、応募1作品につき、給食1日分(30円)が寄付協力企業により国連WFPに寄付され、学校給食プログラム※に役立てられます。

 小学4年生以上でしたら、どなたでもご応募いただけますので、ぜひ皆様ご応募ください。
 このWFPエッセイコンテストにも日清医療食品様は協賛いただいています。

Q.学校給食プログラムについて教えてください。


国連WFPの目標


「子どもを空腹のまま、学校に通わせてはならない。」子どもの飢餓をなくすには、各国政府、NGO、拠出国、ご支援下さる企業や団体、個人の皆様との協力が重要です。

 過去45年間で、38カ国が国連WFPからの給食支援を卒業し、自分たちの力で学校給食を実施するようになりました。より多くの国が支援を卒業し、将来的には自国による給食事業を行えるようになることを目指しています。

基本情報


 十分に食べ物と栄養を摂っていない子どもは、勉強に集中することが難しいということが分かっています。
 世界では、6,600万人もの小学生が空腹のまま学校に通っています。このような子どもたちは、アフリカだけでも2,300万人います。

 貧しい家庭では、子どもを学校に通わせるか働かせるか、どちらかを選ばなければならないこともままあります。
 学校給食は、子どもを毎日学校へ通わせる重要なきっかけとなります。
 学校給食は子どものお腹を満たし、子どもは学習に集中できるようになります。
 出席率も向上します。
 子ども1人につき、1日およそ30円で、栄養たっぷりの給食を届けることができます。
  また、およそ5,000円で、1人の子どもに1年間給食を提供することができます。(為替の変動によって費用に変化が生じます。)

・学校における食糧支援


1)給食
学校給食は、国連WFPが学校で行っている食糧支援の一形式です。
子どもたちは学校で朝食または昼食(時には両方)の配給を受けます。
この給食は、学校で調理されたり、調理場等から学校へ運ばれて来たりします。
給食の内容は様々で、温かい食事を配給する学校もあれば、栄養価の高いビスケットや軽食を配給する学校もあります。

2)持ち帰り食糧
学校における食糧支援のもう一つの形式として、「持ち帰り食糧」があります。
これは、子どもがきちんと学校に通えば、その子どもの家族全員分の食糧を受け取れるというもの。
持ち帰り食糧を受け取るには、子どもが学校へ入学し、一定の日数以上出席することが必須条件です。

持ち帰り食糧は、子どもたちが学校へ通うようになったことで生じる家計の損失を補う、という意味合いがあります。

また、女の子や遺児など、特に弱い立場に置かれている子どもたちとその家族へは、学校給食と持ち帰り食糧を両方提供することもあります。

国連WFPは可能な限り、食糧の現地調達や、地産地消を推進しています。

これは、地域の発展や小規模農家の支援につながります。

学校給食の重要性


 栄養摂取 給食を提供すると同時に虫下し薬を投与したり、ビタミン・ミネラル等の微量栄養素を給食に含めたりすることで、成長に必要な栄養を摂ることができます。

 社会保障 学校給食は、飢餓、貧困、児童搾取などの悪循環を断ち切るきっかけとなります。国連WFPの学校給食は、HIV陽性の子どもや遺児、障がいのある子どもや元子ども兵にも配給されます。

 教育の機会拡大 学校給食プログラムは、貧しい家庭の子どもを毎日学校へ通わせるきっかけとなります。

 特に、伝統的に女の子が教育を受けてこなかった地域でも女の子が教育を受けられるよう、女の子に重点的に支援を行っています。

 その他の利点 学校は、村や地域社会の中心的な場です。
 学校で給食を提供することにより、先生、子どもの親、調理師、子ども、農家や市場など、地域社会全体の繋がりがより強くなります。

Q. 今後日清医療食品に求めることがありましたら教えてください。

国連WFP協会 事務局長の鈴木邦夫

 9人に1人が十分に食べることができない世界が今日も存在します。

 頻発する自然災害や、食糧価格の高騰、世界経済の低迷など、様々な原因が飢餓を引き起こし、貧困に苦しむ途上国の人びとの暮らしを脅かしています。

 食は人間の生命を支える欠かせないものです。

 食が足りて初めて、その国の自立・繁栄・平和が可能になると言っても過言ではありません。

 国連WFPは、食糧不足に苦しむ人びとに「命の糧」となる食糧を迅速にかつ確実に届けるため、毎日世界中で飛行機70機、船20隻、トラック5,000台を稼働させています。

 一人でも多くの人びとに食糧が届き、苦しい状況下に暮らす人びとが安心して、希望とともに生活を送れるように引き続き温かいご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

※所属・役職名はインタビュー時になります。

» ステークホルダーとの対話一覧についてはこちら

関連記事

働くことの深い喜びを

働くことの深い喜びを

インタビュー:板垣 薫様/横田亮介様
(朝日新聞社/株式会社談広告おしごと年鑑 編集長/取締役 副社長)

2020年10月19日更新

「探究」の浸透に向けて

「探究」の浸透に向けて

インタビュー:川口博史様
(株式会社トモノカイ事業企画室)

2020年01月20日更新

幸福社会の創造を

幸福社会の創造を

インタビュー:岡田大士郎様
(株式会社HLDLab代表取締役社長)

2019年12月11日更新

中国での病院給食・介護食の現状と課題について

中国での病院給食・介護食の現状と課題について

インタビュー:沙銘様
(匠天下餐飲管理咨詢有限公司 京和株式会社代表)

2019年07月29日更新

CSR活動にもっとSDGsの観点を!

CSR活動にもっとSDGsの観点を!

インタビュー:臼井清様
(志事創業社)

2019年04月15日更新

日本と中国のセントラルキッチンの違いについて

日本と中国のセントラルキッチンの違いについて

インタビュー:馮 徳和様
(南京衆聯セントラルキッチン研究院有限公司マネージャー)

2018年11月05日更新