「食」の側面から医療・福祉を見つめ支える日清医療食品。ヘルスケアフードサービス業界のリーディングカンパニーです。日清医療食品株式会社

CSR/社会貢献活動の取り組み

中国での病院給食・介護食の現状と課題について中国での病院給食・介護食の現状と課題について

掲載日:2019年07月29日
ステークホルダー : 地域社会
キーワード : 介護食 国際社会 病院給食

中国での病院給食・介護食の現状と課題について|北京匠天下餐飲管理咨詢有限公司、京和株式会社代表沙銘様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとして、経営の透明性を高め、ステークホルダーの皆様との健全で良好な関係づくりに努めるとともに、迅速な情報開示を行います。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケーションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、北京匠天下餐飲管理咨詢有限公司、京和株式会社代表沙銘様に中国での病院給食・介護食の現状と課題についてインタビューしました。

» ステークホルダーとの対話一覧についてはこちら

北京匠天下餐飲管理咨詢有限公司、京和株式会社代表沙銘様

インタビューに応えていただいた、北京匠天下餐飲管理咨詢有限公司、京和株式会社代表沙銘様

Q. 北京匠天下餐飲管理咨詢有限公司について教えてください。


 樱途盛科技发展有限公司、山东潘多拉餐饮管理有限公司出資して作った飲食コンサルティング会社です。

 中国と日本の交流をメインにして仕事をしている企業で、資本金は200万元で、従業員は15名です。
 
 本部は中国の北京にあり、業務は訪日飲食体験手配、飲食関するセミナー開催、(運営、管理商品、理念など)、人材交流紹介、飲食技術教育、飲食業コンサルティング、飲食店海外紹介などになります。

Q.中国での病院給食の現状を教えてください。


【中国での病院給食の現状について】


 中国で病院給食の理念は始まったばかりで、日本のようなシステム管理はまだ形成されていません。

 ただし、栄養士は医者とコミュニケーションを取ることはありますが、日本のように食事の形態変化はなく、中国の栄養標準を守りつつ、少塩、少糖、柔らかい食品を使う程度になります。

【中国での病院給食の課題について】


 現状中国では日本ほどのシステムや病院食等の意識がなく、医師の指導の下に注意レベルでの改善程度しか行われておらず、医師、栄養士、給食関連業者、患者、給食利用者との連携はこれからになります。

 どのように患者のニーズに合わせて提供するか料理を分析し、どのように多くの人のニーズを満足させるか、どのように準備した料理の量と患者の需要量との間で合理的にマッチングするかなど、多くの病院が直面している問題だと考えられます。

 また、中国では人件費が高いです。一つの大型病院の中に病棟はいくつかあります。一日三食において食事の注文、食事の取り分け、食事の配膳と仕事量が結構多いです。 

 また、患者数が増えれば、仕事の量ももっと増えます。そうすると、必要なスタッフも募集しなければいけません。どのように人員分配の問題を解決するかは現在の課題となっています。

Q.中国での介護について教えてください。


【介護施設が足りない】

 近年、中国では、60歳以上の高齢者が増えつつあり、2013年に2億、2017には2.4億を突破し、総人口数の17%を占めています。

 2016年、中国の介護施設は2.85万になり、収容者数は780万人になります。以上のデータから分かるように、介護施設の収容者数はニーズよりもはるかに少ないことが分かります。

【介護施設に入れない】


 中国の介護施設の半分以上は政府により設立しました。ある政府施設の費用は1200元~1700元(介護費+食費)で、赤字の部分は財政から出すことになります。一方、私立施設の費用は少なくとも3000元以上はかかります。

 政府施設は比較的に安いが、施設が古い、部屋が狭い、食べ物がよくないなど、よく批判されています。それにも関わらず、7000人以上の老人がキャンセル待ち施設もあります。

 また、一部の政府施設は幹部や幹部の親族のために設立したもので、一般人は入ることができません。

 「政府施設に入れない、私立施設に入るお金がない」のが中国の現状となっています。

【30年の遅れ】


 中国で介護は感覚として日本より30年遅れています。

 現在、介護が必要な高齢者の94%は自宅で介護を行っていて、介護施設に入居する意識はまだ形成されていません。

 日本と違いかなり強固な家族意識が強く、兄弟、親戚で常に集まり協力し老人の世話をしているのが現在の中国の姿です。

 ただし、介護食がないため、病院食同様に少塩、少糖、柔らかい食品を使うのみになっています。

Q.現在の中国における病院、介護施設(高齢者向けの食事)での課題は何でしょうか?


 遅れている点は栄養食、栄養リハビリ食、食形態の3つになります。

 中国では生野菜は食べず、温かいものや炒め物など油を使った料理が多いです。

 そして、まだまだ一般家庭では知識がないため、規則正しい食生活やその対応ができていません。

 そのため、日本の病院食や介護食のような管理をされた食事でのアドバイスができればと思っています。

 特にこれから中国も高齢化を迎えますが、高齢者向けの食事は給食業界の2%しか占めていません。
 標準的、理想的なアドバイスをいただけると非常に助かります。

Q.中国では糖尿病食や腎臓病食などのニーズも高いと聞いていますが現状はいかがでしょうか?

2013-2017中国糖尿病患者数(百万人)
出典:智研諮詢 『2018-2024年中國糖尿病藥物行業分析與投資决策諮詢報告』

 2017年、20歳から79歳の間で約400万人が糖尿病で亡くなり、1億1400万人の糖尿病患者が11.6%の発症率で世界1位となっています。

 一方、中国の腎臓病患者数は2014年から2017年にかけて毎年増加し、2014年に1億1265万人、2016年には1億2741人、2017年には慢性腎臓病患者数は1億3300万人に達し、発症率12%となっています。

 患者数が増加する原因は多く、物质生活と労働条件の改善、人々の生活スタイルにいくつかの不健康な変化、例えば栄養の摂りすぎです。

 また、ストレスの増加、精神的な緊張の高まり、睡眠不足および喫煙、過労、環境汚染なども慢性腎臓病の発症率を高めています。

2014-2016中国腎臓病患者数(万人)
出典:中華醫學會腎臟病學分會 華經市場研究センター

 糖尿病と腎臓病に関して、薬や治療の分野では多く注目されていますが、給食の面はまだ注目されていません。

 糖尿病、腎臓病患者専用レシピなどの文章がネットで乗せていることはありますが、糖尿病食、腎臓病食を提供している病院や介護施設はありません。

 このようなニーズに応えることができれば、患者にとって大きな助力になります。
 
 今後は日本の優れた病院給食・介護食を提供する企業と連携をすることで高齢者への食の考え方や提供技術を学ぶことや、病院施設で勤務する人の労働環境の改善や喫食者の満足度の向上に取り組みたいです。

※所属・役職名はインタビュー時になります。

» ステークホルダーとの対話一覧についてはこちら

関連記事

平成の振り返り 病院給食の過去と未来について

平成の振り返り 病院給食の過去と未来について

インタビュー:課長 原國幹彦様
(病院新聞社編集企画課)

2019年06月03日更新

日本と中国のセントラルキッチンの違いについて

日本と中国のセントラルキッチンの違いについて

インタビュー:馮 徳和様
(南京衆聯セントラルキッチン研究院有限公司マネージャー)

2018年11月05日更新

拡大する介護食市場について

拡大する介護食市場について

インタビュー:三浦宏章様
(食品産業新聞社月刊「メニューアイディア」副編集長)

2018年06月15日更新

ノルウェーと日本の労働生産性の違いについて

ノルウェーと日本の労働生産性の違いについて

インタビュー:ロルフ・アルムクロヴ様/ミカール・ルイス・ベルグ様
(ノルウェー大使館通商技術参事官/マーケットアドバイザー)

2018年06月04日更新

シニアマーケットに求められるもの

シニアマーケットに求められるもの

インタビュー:坂本義朗様
(月刊シニアビジネスマーケット取締役編集長)

2018年05月22日更新

地域と高齢者のサポートのために

地域と高齢者のサポートのために

インタビュー:佐々木修様
(株式会社日本医療企画雑誌「ヘルスケアレストラン」 編集長)

2018年04月23日更新