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CSR/社会貢献活動の取り組み

医療・介護の食事サービスを変える!医療・介護の食事サービスを変える!

掲載日:2018年04月16日
ステークホルダー : お取引先
キーワード : セントラルキッチン 座談会 給食業界 設備機器

日清医療食品と厨房・設備機器メーカーによる座談会|食品産業新聞 月刊メニューアイディア編集部 企画

医療・介護の食事サービスを変える!

~日清医療食品の最新工場「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」にみる省力化の取組み~



※2017年12月に稼動したヘルスケアフードファクトリー亀岡

日清医療食品の「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」が昨年12月に本格的に稼働した。
加熱・冷却・包装などの製造過程の自動化・ライン化を図り、生産性を向上。
無人搬送車や立体倉庫・自動仕分け機も導入し、省力化を実現した最新設備の工場である。
従来の工場では1日10,000食を約60名の人員で製造していたのに比べ、新工場では約300名の人員を採用する。単純計算で10倍の食数に対して人員は5倍であり、5割の省人化を実現している。
多品種の商品を大量に、かつ効率的に製造するのは極めて難しい中、同社はいかにして作業効率を上げる自動化システムを作り出したのか。
同社と設備設計を担当した中央設備エンジニアリング、製作者のダイフク、髙橋工業、テラオカの5社による座談会を開催し、省力化を追求する思いと連携、HFF亀岡の充実した設備内容を紹介する。人手不足の中、省力化の重要性とセントラルキッチン方式(以下、CK方式)の可能性を見出してほしい。

 この座談会は食品産業新聞月刊メニューアイディア編集部 企画によります。

» ステークホルダーとの対話一覧についてはこちら

座談会出席者

食品産業新聞社 メニューアイディア編集部
三浦宏章副編集長
中央設備エンジニアリング㈱
名古屋 一 統括部長代行
髙橋工業㈱
木嶋 亮介 課長
㈱テラオカ
松田 智樹 ブロック長
㈱ダイフク
中村  親 課長
日清医療食品㈱
関根 弘明 課長

モデレーターは食品産業新聞メニューアイディア編集部 三浦宏章副編集長が務めた。
※座談会実施日 2018年2月13日 所属・役職名は座談会時になります。

ヘルスケアフードファクトリー亀岡における自動化の軌跡

ヘルスケアフードファクトリー亀岡の設備機器について活発に意見交換

ヘルスケアフードファクトリー亀岡の設備機器について活発に意見交換

三浦  まず、日清医療食品の関根さんに伺います。
HFF 亀岡における自動化は、どのように進められたのでしょうか?

関根 当社は基本的にクックサーブで食事を提供していますが、今後の少子高齢化を見据え、CK方式をさらに加速することが重要であると考え、従来では難しいと言われていた大量・多品種の自動化を目指し、1日10万食の工場「HFF亀岡」を竣工しました。

中央設備エンジニアリングの名古屋さんからこれまで手掛けられてきた食品工場のノウハウを伺い、現在のCKで時間がかかっている製造工程において、自動化・省力化できる業務を提案いただき、実現しました。

三浦 竣工の計画はいつから?

中央設備エンジニアリング株式会社 エンジニアリング本部 エンジニアリング統括部長代行 名古屋 一様

中央設備エンジニアリング株式会社 エンジニアリング本部 エンジニアリング統括部長代行 名古屋 一様

名古屋 私が生産設備を担当し、上司がプロジェクトマネージャーを務め、2015年の8月から設備選定を開始しました。

そこから足かけ3年かけて、昨年の8月26日にHFF亀岡は竣工しました。

三浦 中央設備エンジニアリングさんは自動化に向けて、どのような提案をされたのでしょうか?

名古屋 食品製造プロセスの自動化でも不定形で液体を含む食品を扱う場合、技術的なハードルが高くなります。

今回の日清医療食品さんのケースでは、下処理から加熱・冷却、包装工程をホテルパンというステンレス製の容器を使用することで自動化しやすいマテリアルハンドリング手法を提案しました。

従来、加熱・冷却工程はバッチ処理が主流でしたが、多種の福祉医療食メニューに対応するため、今回は連続ライン化と自動化で対応することと、包装後製品の配送先約800箇所の仕分けに立体倉庫・自動仕分け機を採用し、仕分け作業の自動化と誤仕分け防止を実現しました。

自動搬送車

さらに、多品種のフルーツを処理する製造ライン、自動搬送車(写真)による省力化等多くの新規技術を採用していただくと共に、連続ライン化と自動化を下支えするMES(製造実行システム)は日清医療食品さんとともに開発しました。

従来と変わらないおいしい医療福祉食を衛生的な環境の中で生産できるよう食品工場建屋の設計と建設も任せていただき、上記の多くの製造技術を弊社のエンジニアリングによって改良し、組み合わせ、統合して稼動させて、多品種・大量生産が可能な福祉医療食製造工場をご提供できたと考えております。

10万食の医療食(アレルギー対応あり)を800事業所に配送する工場は日本初です。

写真は自動搬送車

日清医療食品が求めたのは美味しさと自動化の両立

三浦  課題共有・検討から機器選定、導入に至るまで、日清医療食品さんが中央設備エンジニアリングさんに特に求めたことは?

関根  私たちの事業は給食サービスであり、安全・安心な食事の提供はもちろん、美味しさも求められます。

従来、各CKではスチームコンベクションオーブンを使っていましたが、今回はシブヤマシナリーさんの連続式加熱機という特殊な機械を入れていただくなど、自動化を踏まえつつも、美味しさにもこだわった食事づくりができる
仕組みを依頼しました。

クックサーブで作るのと変わらない品質のものを工場で作るとなると、今までの食事内容を踏まえた上で、より安定的に提供するにはどうすれば良いかがポイントとなります。

三浦 美味しさの実現が一番難しいと思います。

関根  私たちの食事サービスは、塩分制限など使える調味料が限られ、日々のレシピも違います。

1日あたりの食塩相当量の摂取量は決まっているので、限られた調味料で、いかに美味しくするかが課題です。

クックチル商品はCKで加熱、冷却してから、配送後、厨房で再加熱するので、どうしても食材へのダメージがかかります。

例えば、天ぷらのパリッとした食感や焼き物のジューシーさ等は最新機器の導入と調理法の駆使、そして取引している食品メーカーの技術力の向上も相まって、時間を置いても仕上がりをキープすることができます。

焼き魚も、シブヤマシナリーさんの連続式加熱機だと、中はふんわり、表面はパリッとした仕上がりになり、美味しさを維持できます。

我々の努力だけでなく、関連企業の技術革新により、クックチルでもクックサーブ同様の品質の食事が提供できるようになってきました。

我々が知りうる知識と技術の結晶が、HFF亀岡の食事であると考えています。

中央設備エンジニアリングの自動化・省力化提案

三浦 安全・安心、美味しさ、自動化と様々な要望がある中、どう対応されたのでしょうか?

テラオカ社の深絞り 真空包装機

テラオカ社の深絞り 真空包装機

名古屋 弊社のエンジニアリング業務はユーザーズエンジニアリングを基本方針としており、押し付けではなく、幅広い新規技術を提案し、お客様の求められるものを厳選して採用しております。

日清医療食品さんは、365日朝昼夕と多種多彩な福祉医療食メニューを生産されておられ、1食1食がとても大切なものであることは設計当初より伺っておりました。

例えば、包装する際は食材を丁寧に扱いたいとのご要望を受け、テラオカさんの深絞り真空包装機(写真)を採用していただきました。

カツ丼で言えば、カツと汁を一緒に包装するとカツの衣のサクサク感が損なわれるので、それぞれを別に包装する手法をとっています。

ひとつひとつのメニュー・料理に最適な調理法を日清医療食品さんにお伺いを立て、機器を選定しました。

深絞り真空包装機はトレー状になった包装フィルムに効率的に食材を投入します。

真空包装された包装品は、自動でやさしくコンテナボックスに入れる必要があるため、箱入れロボットも開発しました。

また、食材の工程間移動等の付加価値を生まない作業や重量物の取扱いには自動搬送車や省力化機器を導入しました。

弊社から装置製作を依頼させていただいたメーカーの皆さんには、機械装置としての仕様に加え、このようなお客様のこだわりをしっかりと伝え、衛生的な使いやすい装置を製作していただきました。

三浦 なるほど…要望を受け止め、必要条件を吟味・整理し、それに応える最新の自動化設備を選定、導入されたんですね。

各機器の具体的な性能と省力化の内容を教えて下さい。

過熱水蒸気調理機

過熱水蒸気調理機

名古屋 シブヤマシナリーさんには、製造工程上最も重要な食材を加熱調理する過熱水蒸気調理機(写真)をご担当いただきました。

過熱水蒸気は、ボイラーから供給された水蒸気を燃焼ガスによって再加熱した高エネルギー流体です。

これをブロワー(送風機)により食材に直接噴射する事で、効率的に加熱調理する事ができます。

あらかじめ加熱温度、加熱時間、過熱水蒸気量、水蒸気噴流速を設定し、ホテルパンを投入コンベヤ上に置けば、自動的に装置内に送り込まれ、おいしく調理された状態で出てきます。

連続的にコンベヤ上を流れて行き、下流に設置したトンネルフリーザーⓇに送りこまれます。

髙橋工業さんには、上記の加熱調理装置で加熱した食品を急速に冷却するというトンネルフリーザーⓇをご担当いただきました。

多種の福祉医療食を冷却する装置の能力を決定する上で、髙橋工業さんのテストルームで冷却テストを数回
実施し、装置設計に必要なデータを得ました。

これに加え、今後のメニュー展開にもフレキシブルに対応できるよう設計していただくことを依頼し、結果、冷却温度の安定、達温速度が向上し製品品質に寄与していただいております。

テラオカ(寺岡精工)さんには、惣菜系包装機として深絞り包装機とフルーツ用としてトレーシーラーをご担当いただきました。

包装形態が、製袋式包装機と異なり、トレー状に成形されたフィルムやPETトレーを平滑なトップフィルムでシールする形になるため、包装後の自動化が容易に行えます。

真空度の調整に加え、鮮度保持を目的として不活性ガスの注入も可能です。食材を投入するエリアも完全防水となっており、流水洗浄をすることも可能で、大変使いやすく好評をいただいております。

ダイフクさんには、今回の自動化の目玉である立体倉庫・自動仕分け機をご担当いただきました。

私の知る限り、惣菜類製造には初めての採用になるものと思います。

当初、弊社で検討したものは半自動システムでしたが、メニュー構成を独自に検証されソーター式の仕分け機をご提案いただき採用させていただきました。

1000に近い配送先へ正確に少ない人数で仕分けができる画期的な装置であると評価しております。

髙橋工業のトンネルフリーザー、冷却時間の短縮で生産量増加


三浦 では、さらに深掘りしていきます。

まず、髙橋工業さんが導入された設備について、特筆すべき内容を教えてください。

髙橋工業株式会社 営業本部 東日本営業部 第一課課長 木嶋 亮介様

髙橋工業株式会社 営業本部 東日本営業部 第一課課長 木嶋 亮介様

木嶋 日清医療食品さんの従来のCKでは、冷却工程がバッチ式で、当社の親会社である福島工業さんのブラストチラーを活用されていました。

ただし、今回の1日10万食の料理を冷却するとなると難しく、当社にお話が参りました。

連続式冷却器

トンネルフリーザーⓇ(連続式冷却器)

木嶋 当社のトンネルフリーザーⓇ(連続式冷却器、写真)は商品の自動搬送冷却方式として省人化を実現しました。

これまで、主に冷却の用途ではコンビニベンダーさんで数多く採用実績がありましたが、クックチルでの用途で採用されたのは初めてです。

主にこだわったのは、達温基準まで早く冷やすことであり、商品搬送面のコンベアの上下に配置されたノズルより高速ジェット噴流を商品に直接吹き付ける事で、冷却時間の短縮を実現、生産量の増加に大きく貢献する事ができたと思っております。

また、衛生管理機能としてCIP自動洗浄装置と蒸気殺菌システムを搭載、ボディーは冷却中の低温域、蒸気殺菌中の高温域の熱応力、熱伸縮に耐えうる一体溶接のタンク構造とし、当社独自の大型ウイング扉を取り付ける事で、庫内洗浄時の目視確認が容易になっております。

この蒸気殺菌システムは、洗浄後に庫内に蒸気を投入し、+90℃まで昇温、30分保持、強制排気を実施、庫内の殺菌を行う事で、食材の初発菌数を抑え、今までよりもより衛生的に商品を冷却する事を可能としました。

三浦 医療・介護の食事サービスの工場ということで特に注力された点は?

木嶋 モバイルプラスのメニュー構成は非常に多品種のため、食材から出る気化した有機物質(例:卵製品や酢酸を含んだ食材)により庫内冷却機の腐食が懸念されました。

そこで通常は熱伝導が高い銅管、銅フィンの冷却器をご提案しますが、耐食性を考慮し庫内の冷却器はすべてステンレス管、ステンレスフィンの冷却器を採用頂きました。

また商品によっては風で飛散しやすい食材もあり、生産アイテム切換え時のコンタミの問題も懸念されておりましたので、冷却器ファンはインバーターを搭載し、生産される品種によって風量調整を出来るようにしました。

さらに、加熱調理後の商品から出る水蒸気が冷却器に付着し、霜となり蓄積する事で冷却に影響を及ぼす事が懸念されておりましたので、それを最小限に食い止めるため、トンネルフリーザーⓇ(連続式冷却器)入口部に予冷室を設け+5℃で冷却、商品から出る水蒸気が冷却器に付着しても霜にせずドレン水として排出し、表面が冷えた所で本冷室にてしっかり冷却する事で本冷室冷却器の霜付のリスクを低減、長時間稼働を実現させております。

三浦 苦労した点は?

木嶋 一度にタンクフリーザーを11台納入させて頂いた事は今まで実績がありませんでしたので、部品調達、生産工程、組立工場の確保、納品工程、納品後の工程管理には非常に苦労しました。

またブラストチラーと異なり芯温計を用いた運転制御では無く、商品によってコンベアスピードを変更するタイマー運転制御となりますので、事前にある程度メニュー毎にグループ分けをしておく必要がありました。

当社本社にあるラボでお客様も交えながら、最終的には約50アイテムの冷却データを取りグループ分けを行いましたが、その作業は非常に苦労しました。

ただし、営業、サポートグループ、設計、施工、サービス、工場が製販一体となってお客様のために、という思いが一つになっておりましたので、大きな初期クレームも無く納めさせて頂く事が出来ました。

テラオカのトレーシーラー、包装技術でリスク軽減、現場を省力化


三浦 続いて、テラオカさんはいかがでしょうか?
HFF 亀岡を取材した時には、特注で作られた生フルーツ下処理機に驚きました。

株式会社テラオカ フードインダストリー営業部 関西ブロック ブロック長 松田智樹様

株式会社テラオカ フードインダストリー営業部 関西ブロック ブロック長 松田智樹様

松田 最初は、主菜、副菜、揚げ物、フルーツの深絞り包装機4台のご依頼をいただきましたが、フルーツは皮を剥いて包装すると、輸送中につぶれてしまう可能性があるため、生フルーツ、缶詰ラインには、トレーシーラーTRAVE340を提案しました。

トレーシーラーTRAVE340

トレーシーラーTRAVE340

松田 潰れやすいフルーツを袋での輸送ではなく、トレーパック+トップシールにて包装しております。

設計は中央設備エンジニアリングさんと日清医療食品さんに調整いただき、皮むき後のキウイフルーツ等には、中で遊ばないよう形状に拘った卵型のトレーを作成いただき、導入後は、今までは軟弱な形状のフルーツも輸送時に潰れないと、現場担当者の方から評価いただいております。

上記同様、フルーツラインにつきまして、トレー包装後に、シロップ等の付着もあるため、弊社グループ寺岡精工の協力により、洗浄、乾燥、ラベル添付のコンベアラインを設置しました。

ライン上の異常が発生した場合を見越し、後段のラベラー等との連動もしているラインにさせていただいております。

できるだけ省力化、省人化を目指すことを明言いただいていたので、その要望を目指した形になりました。

三浦  医療・介護の食事サービスの工場ということで特に注力された点は?

松田 フルーツのシロップで機械内部のコンベアを汚す、べたつかせる等が発生した際、包装のタイミングや、駆動部の調整等に時間がかかりました。

ただ、日清医療食品さんの現場担当者の方や、中央設備エンジニアリングの皆さんのオペレーションのおかげで原因が減少し、毎日の作業後の清掃も行っていただいて、現在は、ほぼ問題なくご使用いただいている状態です。

ダイフクの自動倉庫・自動仕分け機、バーコードを読み取り自動ソーティング


三浦  導入された設備の性能と省力化の内容を教えてください。

自動仕分け機

自動仕分け機

中村 1日10万食を800事業者様に安定した品質で提供できる物流設備というコンセプトに対して、自動倉庫と自動仕分け機(写真)を組み合わせた高能力マテハンシステムを納入させていただきました。

誰でも簡単に作業ができ、かつ出荷精度を向上させるシステムソリューションの構築がお手伝いできたと考えております。

三浦 導入された設備の性能と省力化の内容を教えてください。

株式会社ダイフク FA&DA営業本部 システムソリューション2部 課長 中村 親様

株式会社ダイフク FA&DA営業本部 システムソリューション2部 課長 中村 親様

中村 まず、ケース自動倉庫の“ファインストッカー”は、3,360棚の保管能力があります。

入出庫能力は500ケース(時間あたり)になります。

HFF 亀岡の2 階で製造された製品を自動で入庫し、下流の仕分け作業に対し必要な製品を自動で供給いたします。

続いて、自動仕分け機の“サーフィンソーターミニ”は111シュートの仕分け口があり、仕分け能力は11,000個(時間あたり)になります。

出荷オーダーに基づき各事業所様毎に該当製品を指定された数量、自動で仕分けします。

また、人が集めたり運んだりする作業がなくなり、定点作業になることにより高い生産性を維持できると考えております。

三浦  竣工式でダイフクさんの自動倉庫を拝見した時は、従来、物流センターで使用されていた機器を、食品工場に導入するアイデアに驚きました。

中央設備エンジニアリング株式会社 エンジニアリング本部 エンジニアリング統括部長代行 名古屋 一様

中央設備エンジニアリング株式会社 エンジニアリング本部 エンジニアリング統括部長代行 名古屋 一様

名古屋 当初、半自動で構想を練っていた時は、何度、図面を引いたか分かりません。

自動倉庫と食材の組み合わせは難しいと考える時もありましたが、手書きのラフスケッチをもとに、中村
さんと課題の共有・討議を繰り返した結果、最も適した設備を導入できたと考えています。

株式会社ダイフク FA&DA営業本部 システムソリューション2部 課長 中村 親様

株式会社ダイフク FA&DA営業本部 システムソリューション2部 課長 中村 親様

中村 ご相談を受けた当初は、『ピッキング(摘み取り式)による仕分け』という概念をご検討いただいておりましたが、医療食ということで、「出荷製品に間違いがあってはならない」という前提で、数あるマテハン機器の中から“サーフィンソーターミニ”を選定しました。

それは、当初とは真逆の発想で、『ソーティング(種まき式)による仕分け』というソリューションです。

HFF亀岡で製造される製品(医療食)には、「定数パック」と呼ばれる全事業者様に指定数量でお届けするものの他に、「事業所パック」と呼ばれる事業者様毎の指定品(患者さんに合わせた味付けや数量を個別に指定)としてお届けする製品が毎日たくさん製造されます。

数量だけを意識すれば良い前者に比べ、後者は絶対的にそのものを注文事業所様にお届けしなければなりません。

製造後いったん保冷されているたくさんの「事業所パック」の中から、ある事業者様の製品を探し出してピッキングするのは大変な作業であり、また誤ピックも発生しかねません。

そこで、サーフィンソーターミニでバーコードをチェックするだけという仕組みで、探し出すから自動で振り分けへと、大きな方針転換を提案させていただきました。

人が最も間違えやすい数量カウント作業や、類似品の誤ピックを、バーコード情報をもとに機械で自動仕分けする仕組みに変更することにより、ミス率が限りなくゼロに近い出荷精度を実現しております。

三浦  苦労したところは?

中村 サーフィンソーターミニは、2ライン合計で111のシュート(仕分け口)を設けております。

シュートとは、仕分ける製品を滑り込ませる“すべり台”のような部分ですが、こちらに各事業者様単位で製品が集まってくる仕組みであります。

一方、仕分け対象である製品は、透明な包装フィルムでパッキングされております。

このフィルム体とすべり台の相性に少し苦心しました。

すべり台の角度が急過ぎると集まってくる製品同士の衝突が強くなり過ぎ、角度が緩いと途中で止まってしまうような状況でした。

日清医療食品さんにもご協力いただき、40種類の製品サンプルで繰り返しテストをし、最適な角度を探った次第です。

ただし、内容物が軽量な製品では滑りきれないものもあり運用でカバーしていただいております。

なお、シュート(すべり台)の表面には微かな凹凸をつけた塗装を施し、フイルム体の抵抗の軽減を図っております。

三浦 導入された3 社の機器についてご意見を?

日清医療食品株式会社 営業本部 セントラルキッチン部 課長 関根 弘明

日清医療食品株式会社 営業本部 セントラルキッチン部 課長 関根 弘明

関根 各社様の多大なご協力により、HFF 亀岡は竣工できました。

クックチル方式では、冷却時間をいかに短縮するかで味が変わります。

トンネルフリーザーⓇ(連続式冷却器)の導入によりコンタミも防止でき、アレルギー対応も万全です。

安全で衛生的で、美味しい食事の製造が実現でています。

フルーツの下処理は、当社のご契約先事業で取り組むと非常に時間がかかる作業です。

CKで皮をむき輸送することで省力化を実現するとともに衛生面も向上し、安定した輸送によりロスも無くなりました。

また、自動倉庫・自動仕分け機の導入により、少ない人数で入出庫能力の処理を自動化できました。

誤仕分けはなく、大いに助かっております。

さいごに、各メーカーの皆さんの協力ととりまとめをしていただきました中央設備エンジニアリングさんに感謝したく思います。

現在、HFF亀岡の安定稼動に向け対応をしています。

稼動しても現在提供している食数の1割程度です。

今後も更なる省力化が必要になります。引き続きご支援いただければ助かります。

三浦 工場が稼働して3 ヶ月が経ちますが、いかがでしょうか?さらなる省力化のニーズはあります
か?

関根 昨年11月よりテスト稼動を行い、12月より提供を開始させていただきました。

もちろん、世界にない工場を建設したため、運用や教育についてもこれからブラッシュアップをしていく必要はあります。

しかし、これからの医療・介護の食事サービスを変えていくためのフラグシップであるため、HFF亀岡が成功すれば第2、第3の工場建設の検討や、CK以外でも何らかの事業所における省力化の検討も考えていきたいと思います。

各社の省人化・省力化に駆ける想い

上空から見たヘルスケアフードファクトリー亀岡

三浦  日本の生産人口は今後も減少していきます。
食品製造において皆さんの奮闘がさらに期待される中、人手不足を好機とし、ニーズに応え成長する企業もあります。

人手不足解消と省力化・省人化に駆ける想いをお願いします。

名古屋 弊社では、今後もお客様の製造プロセスを短時間で理解し、省力化、省人化、自動化の最新技術から最適なものをご提案し、食品製造に携わるお客様の更なる発展に貢献し、これからの食の安全・安心を通じて皆様のより豊かな暮らしに役立っていきたいと考えております。

木嶋 医療、介護食製造現場でのクックチルの用途でのトンネルフリーザーⓇ(連続式冷却器)の導入は今回が初めてとなりますが、少子高齢化に伴う、人手不足を補い、省人化を図るため、大量調理施設において当社機器でクックチル、クックフリーズを行う需要は今後まだまだ拡大していくと確信しております。

これからはさらにお客様のご要望に耳を傾け、新しい技術や製品を世に送り出し、トンネルフリーザーⓇ(連続式冷却器)のNo1メーカーとしての責任を果たし、人々の暮らしを豊かにしていく事が出来る様に、努力して参ります。

㈱テラオカ 古川 康宏 部長 深絞り包装機はあくまでオペレーターの方が手で処理されているので、弊社は計量機メーカーなので、計量したものを深絞り包装機に投入するロボットやコンピュータ、自動ラベラーもご提案したい。

省力化・省人化は、どの食品工場においてもテーマだと思うので、その課題に対してはトータルのシステムでお応えしたいと思います。

中村 我々が属しているマテハン業界には、確かに人手不足からの追い風が吹いております。

しかし、自動倉庫やソーターを導入すればすぐにでも省人化できるかというと、必ずしもそうとは言えません。

当社は、お客様毎にそのニーズを詳しくお聞きし、徹底的な分析をした上で自動化すべき範囲を見極め、そのお客様に最適と考えるマテハンを提案することを信条としております。

最適・最良のソリューションを提供し、世界に広がるお客様と社会の発展に貢献することが当社の目標であります。

三浦 最後に、人手不足が深刻になる中、設備・機器メーカー様に期待することはありますか?

関根 HFF 亀岡は皆様の御尽力で最良の工場ですが、最大食数を作るとなると、約300人の人手が必要です。

ここまで省人化を図っても、その人数を集めるのは苦労します。

当社には労働人口が減少しても、食事を提供し続ける使命があります。

その実現のためには、この工場をフラグシップとし、さらにCKを建設することも必要です。

その時には、新しい技術を導入した更なる省人化・省力化のご提案をいただければ幸いです。ご協力をお願いします。

 この座談会は食品産業新聞月刊メニューアイディア編集部 企画によります。
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※所属・役職名はインタビュー時になります。

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