「食」の側面から医療・福祉を見つめ支える日清医療食品。ヘルスケアフードサービス業界のリーディングカンパニーです。日清医療食品株式会社

CSR/社会貢献活動の取り組み

国際的な衛生管理を国際的な衛生管理を

掲載日:2018年07月25日
ステークホルダー : 業界
キーワード : HACCP 有識者コメント 食の安全・安心

国際的な衛生管理を|月刊HACCP 編集部長 岩本 嘉之様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営にするため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケ―ションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、国連の国連食糧農業機関( FAO )と世界保健機関( WHO )の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められた手法であるHACCP※1(Hazard Analysis and Critical control Point)を主軸にした月刊「HACCP」の発行先である、株式会社鶏卵肉情報センター 常務取締役 編集部長である岩本 嘉之様にHACCPについての食の安全・安心のトレンドについてインタビューを行いました。

※1・・・HACCP とは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法です。

» 月刊HACCPのHPについてはこちら

» ステークホルダーとの対話一覧についてはこちら

月刊HACCP 編集部長の岩本嘉之様

※インタビューに答えていただいた月刊HACCP 編集部長の岩本嘉之様

Q.月刊HACCPについて教えてください。


【食品衛生と畜産関係の出版社】


 私たち株式会社鶏卵肉情報センターは食品衛生と畜産関係の出版社であり、月刊HACCP、月刊養豚情報隔週刊鶏卵肉情報を発刊しています。

 今回、日清医療食品様にはこの月刊HACCPの取材として、2017年12月より操業されましたヘルスケアフードファクトリー亀岡の取材を通じて接点を持たせていただきました。

»株式会社鶏卵肉情報センターのHPについてはこちら

月刊HACCP 取材対応するヘルスケアフードファクトリー亀岡の川添工場長と品質管理課の清賀係長

【月刊HACCPについて】


 HACCPは、1993年にCodex委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)が「HACCP適用のガイドライン」(Guidelines for the Application of the Hazard Analysis Critical Control Point (HACCP) System, CAC/GL 18-1993)を採択したことを契機に世界各国で導入が進められました。

 米国やEUでは、まずは水産食品や食肉などリスクの高い食品から順次義務化が進められ、EUでは2006年から一次生産を除くすべての食品産業にHACCPの概念を取り入れた衛生管理が義務づけられました(EC規則852/2004)。

 また、米国においては、食品を製造・加工、包装、保管するすべての施設に対し、HACCPの概念を取り入れた食品安全計画の策定・実行を義務づける「食品安全強化法」(FSMA)が2011年に成立しています。

 こうした義務化を進める上で、中小企業等へのHACCPの適用が課題とされ、柔軟性を持ったHACCPの適用が重要であると認識されてきていますが、HACCP導入の動きは先進国だけでなく開発途上国においても進みつつあり、いまやHACCPは国際標準であり、HACCP制度化(義務化)もあり日本の食品企業としてはもはや避けて通れなくなっています。

 わが国においては1995年(平成7年)、食品事業者による自主管理を促すため、厚生労働省がHACCPの考え方を取り入れた「総合衛生製造過程の承認制度」(マルソウ)が、乳・乳製品、食肉製品、清涼飲料水、容器包装詰加熱加圧食品、魚肉練り製品の6品目を対象に創設されましたが、それから23年、日本はついにHACCPの義務化に踏み切り、今年6月13日に「HACCPに沿った衛生管理の制度化」(HACCP義務化)を含む食品衛生法の一部改正の法律が公布されました。

 今後、このHACCP制度化とともに、HACCPを核としたISO22000やFSSC22000、SQFなどの民間認証の普及などで、日本の衛生管理レベルはさらに向上することが期待されます。

 「月刊HACCP」※2(副題:食の安全と品質保証のための)は、厚生省乳肉衛生課や農林水産省畜産局動物衛生課(当時)による後押し、学識経験者らを編集委員とし、国内唯一のHACCP専門誌として1995年10月に創刊しました。

“From Farm to Table”をテーマにフードチェーンのあらゆる段階の食の安全性確保、衛生管理を対象に情報を発信しています。一般社団法人日本HACCPトレーニングセンター、ATP・迅速検査研究会の事務局なども務めています。


※2・・・月刊HACCPについて
毎月1日発刊。定価2,500円(送料240円)。年間購読30,000円(送料込み)金額は税別になります。

【発刊移行の食の安全・安心への関心について】

 1995年10月に創刊をした後、翌年の1996年には岡山県邑久町の小学校において腸管出血性大腸菌O157:H7による患者数468 人の集団食中毒が発生し、そのうち2人の児童がHUS を併発し死亡。時同じくして、大阪府堺市でもカイワレ大根によるO157食中毒が起こり、推定患者数は9,523人に上り、3人が死亡しました。

 そして、この事件に引き続き、広島県、岐阜県、愛知県、大阪府等でも集団食中毒が続発したこと、そして、メディアが取り上げたことで多くの人が食中毒の危険性と食に対する安全性を認識するきっかけとなりました。

 当時の衛生面はまだまだ改善する余地もありました。今思うとかなり時代を先駆けた取り組みであったかと思います。
 その後、2000年に加工乳による集団食中毒事件が起きました。この事件では認定者数14,780人と、第二次世界大戦後最大の集団食中毒事件でもあります。

 これ以降に異物混入における食の安全性が問われるようになりました。缶詰や製品にガラスなどの硬質なものや、虫や髪の毛、蛙などが入っているというニュースが取り上げられました。

 さらに2001年にはBSE問題が発生しました。日本ではBSE感染患者は一人も出ていませんが、2001年9月10日に千葉県で BSE の疑いがある牛が発見されたと農水省が発表した後に、10月に食用牛の全頭検査が導入されるなどの対応がされたが、翌年、食肉加工会社の産地を偽装した事件が混乱に輪をかけたこともあって、牛肉を扱う一部の食品・飲食店業者・外食産業企業などに大きな打撃を与え深刻な社会問題となりました。

 そうした事態を国は深刻に受け止め、2003年5月23日には食品安全基本法が施行され、同年5月30日には食品衛生法も改正されました。

 2003年の改正は食品の安全性の確保に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体および食品関連事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにしたことが特徴です。

 この時期から食品業界において食の安全・安心の取り組みが加速しました。

 2005年9月には国際標準化機構のTC34委員会WG8によりISO 22000が発行され、適用について定めたガイドラインであるISO 22004が同年11月に発行されました。

 また自治体、各県において自治体HACCPが進むとともに、大手流通企業がHAACPを中核とした第三者認証を受けていないと納入しないといった方針を打ち出したことから、日本でもHACCP関連の認証取得が加速しました。

Q.食の安全、安心のトレンドについて教えてください。

【制度化について】

 今年6月13日に「HACCPに沿った衛生管理の制度化」(HACCP義務化)を含む食品衛生法の一部改正の法律が公布されました。

 それまで厚生労働省は、2016年度に「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」を開催するなど、国内におけるHACCP制度化に向けて準備をしてきました。

 その背景として次の通りです。

食品衛生管理の国際標準であるHACCP は、先進国を中心に義務化されている。
・高齢化社会を踏まえた、食中毒リスクは増加が懸念される。
・危害性のある異物混入による回収告知件数が増加の傾向にある。
・多くの食中毒の原因は、一般衛生管理の実施の不備にある。

国際化や、東京オリンピック・パラリンピック等を見据え、我が国の衛生管理の水準を国内外に示す必要ある。
 当初は2020年の東京オリンピックまでに制度化の予定でしたが、猶予期間1年を含め公布日から3年以内に完全施行となります。
 制度化、義務化は大手の食品メーカーだけではなく、個人が経営する飲食店などの小規模事業所も対象になり、衛生管理計画を作成し、毎日記録を行い、検証を行う必要があります。

 今までは認証を受けたい人が行う制度ですが、23年ぶりに法制化、義務化となりました特に輸出を考えた場合にはHACCPやGAP※3は必要不可欠です。この取り組みは農林水産省、厚生労働省が連携して行っています。

※3・・・GAPとは
GAP(Good Agricultural Practice)とは、「農業生産工程管理」のことで、農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に則して定められる点検項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行う。
「グローバルGAP」(GLOBAL G.A.P.)とともに、「JGAP」(Japan Good Agricultural Practice)の認証があり、食品安全、労働環境、環境保全などに配慮した「持続的な生産活動」が認証基準となっている。

【小規模事業所がHACCPを導入するには】

 小規模事業にはHACCPの考え方を元にした取り組みを行っていただく形となります。今回のHACCP制度化では、「HACCPに基づく衛生管理」(いわゆる基準A)、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」(いわゆる基準B)とがあり、飲食店などの小規模事業者は基準Bが適用されます。

 食中毒三原則「つけない」「増やさない」「やっつける」に則り、日常に行っていることを記録し、保管、検証することをやっていただくことになります。

 日常に行われていることかと思いますので、難しくとらえる必要はございません。

(基準A)
・コーデックスHACCP の7原則を要件とするもの
・一定規模以上の製造業、提供食品の特性上から基準A が相応とされる業種 等

(基準B)
・一般衛生管理を基本として、事業者の実情を踏まえた手引書等を参考に、必要に応じて重要管理点を設け管理するなど、弾力的な取扱いを可能とするもの
※手引書は、各業界団体が国の助言を受けながら段階的に作成
・小規模事業者や一定の業種等が対象
一定の業種等は、当該店舗での小売のみを目的とした製造・加工や調理を行っている事業者、提供する食品の種類が多いことに加えて提供食品を変更頻する頻度が高い業種、一般衛生管理で管理が可能な業種等(飲食業、販売業等)


Q.日本と世界との食の安全・安心・衛生の違いを教えてください。


【安全性と品質管理】

 1995年に月刊HACCPを創刊し、99年から一般社団法人日本HACCPトレーニングセンターで研修事業を行っていますが、当時から品質性と安全性についての差を感じています。

 本来、HACCP安全性を管理するもので、品質は管理しません。

 例えば日本では髪の毛などの異物混入は確実にクレームになりますが、海外ではそこまでのクレームになりません。
 海外では本来のHACCPの考え方に基づき、品質と安全性をはっきり分けています。

 日本では焼き方や仕上がりなども重視し、さらに異物については人に危害を与えないものまでも含め徹底した管理を行います。

 金属異物については例えば、米国では7mm~25mmが法的な規制の対象となっています。つまり、7mm以下なら例え飲み込んでも人に危害を与えない、25mm以上なら口に入れる前に見つけられるという判断のようです。

 こうした点が日本と海外との大きな違いですが、品質をしっかり管理しなければ企業の信頼を大きく損ねる可能性が十分にあります。それゆえ日本の食品の品質の高さが世界に誇れるのだと思います。

 後は日本では認証、資格の取得が重視されています。ISOやHACCPは衛生管理のツールの一つなのですが、認証を得ることはステイタスになっているケースもあります。これはFFSC22000※4の取得を国別で調査すると日本が1位であることからも言えます。

※4・・・FSSC 22000とは
食品安全マネジメントシステムの1つ。 オランダのFSSC(The Foundation of Food Safety Certification:食品安全認証団体)が、ISO 22000とISO/TS 22002シリーズ(旧:PAS 220)を組み合わせて開発した規格。

Q.当社HFF亀岡の感想、意見があれば教えてください。


【セントラルキッチンではなく食品工場】

 給食をつくっているセントラルキッチンのイメージではなく、食品工場や食品加工工場といったレベルの高さを感じました。

 そして、省力化、省人化の最先端の工場です。

 現在、どの企業も少子高齢化による労働力不足をどう対処していくのかが課題であり、取り組みを行っています。
 新しく何かを変えることは労力も資金も必要です。

 まだまだクックサーブで食事提供を行っている施設は多いと思いますが、日清医療食品様のようなセントラルキッチンを有している企業をうまく活用することで、人手不足の中でも事業継続ができるかと思います。

【業界の中では注目度が高い】


 1日10万食を製造し、しかも大量多品種を実現している工場ができたことは業界の中かなり注目度が高いです。

 私のまわりでも、日清医療食品様の掲載された記事を多くの方から教えていただき、取材前に調べさせていただきました。

 給食業界ではまだまだクックサーブ方式が主流ではありますが、今後を見据えるとセントラルキッチンを活用したクックチル方式やクックフリーズ方式での提供への移行は必然かと思われます。

 今後、日清医療食品様が更なる取り組みを行われることを期待しています。

※所属・役職名はインタビュー時になります。

» ステークホルダーとの対話一覧についてはこちら

関連記事

拡大する介護食市場について

拡大する介護食市場について

インタビュー:三浦宏章様
(食品産業新聞社月刊「メニューアイディア」副編集長)

2018年06月15日更新

シニアマーケットに求められるもの

シニアマーケットに求められるもの

インタビュー:坂本義朗様
(月刊シニアビジネスマーケット取締役編集長)

2018年05月22日更新

病院経営と病院食ついて

病院経営と病院食ついて

インタビュー:原國幹彦様
(株式会社病院新聞社編集企画課 課長)

2018年05月10日更新

地域と高齢者のサポートのために

地域と高齢者のサポートのために

インタビュー:佐々木修様
(株式会社日本医療企画雑誌「ヘルスケアレストラン」 編集長)

2018年04月23日更新

口腔ケアで健康に

口腔ケアで健康に

インタビュー:笠松恵子様
(ユウデンタルクリニック医院長)

2017年11月13日更新

即戦力管理栄養士の養成

即戦力管理栄養士の養成

インタビュー:朝見祐也様
(龍谷大学農学部食品栄養学科 講師)

2017年03月29日更新