「食」の側面から医療・福祉を見つめ支える日清医療食品。ヘルスケアフードサービス業界のリーディングカンパニーです。日清医療食品株式会社

CSR/社会貢献活動の取り組み

地域と高齢者のサポートのために地域と高齢者のサポートのために

掲載日:2018年04月23日
ステークホルダー : 業界
キーワード : 介護食 地域包括ケア 地域活性 有識者コメント 給食業界

地域と高齢者のサポートのために|株式会社日本医療企画 佐々木修様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営にするため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケ―ションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、栄養士向けの雑誌であります「ヘルスケアレストラン」の編集長、ヘルスケア情報事業本部 健康・栄養情報事業部 部長「栄養編集」代表の佐々木修様にインタビューいたしました。

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株式会社日本医療企画 雑誌「ヘルスケアレストラン」 編集長 佐々木修様

※インタビューに答えていただいた、株式会社日本医療企画 雑誌「ヘルスケアレストラン」 編集長 佐々木修様

Q.雑誌「ヘルスケアレストラン」の特徴を教えてください。


【創刊25年と日清医療食品との関係】


 ヘルスケアレストランは創刊25周年を迎える雑誌です。当時は「病院レストラン」という名称でした。

 創刊のキッカケは日清医療食品様の元代表取締役会長の故 村田士郎様と弊社代表取締役の林諄とで、これから病院給食は委託化が進むこと、そして、より治療の中で栄養が重要視されることを踏まえ、委託給食会社で働く人のモチベーションがあがる雑誌を創刊したいという思いからはじまりました。(1997年10月に「ヘルスケアレストラン」に誌名を変更)

 25年前の管理栄養士の業務は厨房で食事を作り、提供することがメインでしたが、その後、2000年に栄養士法が改正、2006年4月の栄養管理実施加算※1、2010年4月のNST加算※2と変革の時代背景があり、管理栄養士の仕事は厨房で食事を作って給食を提供するのではなく、病棟に出て患者様の栄養管理に携わっていくことに変化しました。

 私どもも時代背景に合わせ、約15年前に「地下室からの脱却」をキャッチフレーズにして、「ヘルスケアレストラン」の内容を“病棟に管理栄養士が出ることを応援する”という方向性に変更しました。

 病院だけではなく、介護保険施設においても管理栄養士はフロアに常駐して、患者様、ご入所者様の栄養管理を行っていますが、2012年の国の施策として社会保障制度改革の方向性として医療から介護へ、施設から在宅へと変更がなされました。

 更に、2018年の診療報酬・介護報酬のダブル改定においては、非常に地域を意識した、病院・介護施設との連携、そして、連携した上での高齢者の重症化予防が栄養改定項目のキーワードになっています。

 今後は地域をどう捉えていくのかが当社の課題であり、5月末になりますが、「地域栄養経営」という新しいヘルスケアレストランの別冊として地域で活躍する方を応援する媒体を創刊します。

※1 栄養管理実施加算について・・・2006年4月の診療報酬改定において、栄養管理の重要性の高まりから、入院料に. 栄養管理実施加算が新設される。

※2 NST加算について・・・栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)加算。2010年4月に「栄養管理実施加算」と連動した上乗せ加算として新設される。

Q. 新たに発刊する「地域栄養経営」について教えてください。


【ターゲット層について】


ヘルスケアレストランと地域栄養経営でのターゲット層について

ヘルスケアレストランと地域栄養経営でのターゲット層について

 今までのヘルスケアレストランの読者層でもあった病院、介護保険施設で新たに在宅訪問栄養食事指導※3に従事していく人がターゲットになります。

 もう一つはドラッグストア・調剤薬局チェーン店などにお勤めの管理栄養士の方になります。

 特に今後在宅・地域を考えていく中ではドラッグストア・調剤薬局チェーン店にお勤めの管理栄養士の方の活躍は重要です。

 現在は、残念ながら管理栄養士の方が店舗でのレジ業務・品物の管理を行っているケースがあります。

 けれど、今後は、来店された高齢者の方に嚥下機能に配慮したスマイルケア食※4や、低栄養改善を考慮した栄養補助食品をそれぞれのお客様のライフスタイルに適した内容でご相談・アドバイスを行うことで①店舗の売上向上に加え、②地域の高齢者の栄養改善に努めることが可能です。

 このような対応を行うことでドラッグストア・調剤薬局チェーン店の差別化が図れるかと思います。

 今回創刊する「地域栄養経営」は、地域で働かれている管理栄養士の知識向上、スキルアップやモチベーションアップが編集方針になります。

※3 在宅訪問栄養食事指導について・・・通院などが困難な方のために、 管理栄養士がご家庭に定期的に訪問し、療養上必要な栄養や食事の管理および指導を行うものです

※4 スマイルケア食について・・・農林水産省が、介護食品の市場拡大を通じて、食品産業・農林水産業の活性化を図るとともに、国民の健康寿命の延伸に資するべく、これまで介護食品と呼ばれてきた食品の枠組みを整備したもの。

農林水産省HPより スマイルケア食の選び方

※農林水産省HPより スマイルケア食の選び方

【PRについて】


 当然、新たに創刊する雑誌のため、ターゲットに向けてのPR活動も行っています。

 その一つとして、とある食品メーカー様とタイアップを行い、減塩セミナーを全国7都市、1年間でのべ回数10回開催しました。

 このセミナーには病院の管理栄養士だけでなく、行政の管理栄養士、ドラッグストア・調剤薬局チェーン店の管理栄養士にも多数ご参加いただきました。

 セミナーでの参加者として接点がある先を増やすとともに、創刊時にも創刊セミナーを開催し、PRしています。

 セミナーは日本医療企画の支社がある札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、福岡の7都市で行います。

 このセミナーで病院や介護保険施設に勤務されている管理栄養士の方々をはじめ、地域のドラッグストア・調剤薬局チェーン店にお勤めの管理栄養士の方にもご参加いただくことで告知・PRに繋げることを考えています。

●「地域栄養経営」雑誌概要


 国の医療・介護政策が病院・施設から在宅へと軸足を移しつつある今、在宅高齢者が地域の中で安心してくらしていくためには3つの解決が喫緊の課題です。

①誤嚥性肺炎による入院の予防
②慢性疾患の重症化予防
③高齢者の低栄養によるフレイル※5予防

 いずれの課題においても管理栄養士による栄養管理がカギとなります。

 地域の生活習慣病予防や介護予防、地域住民の健康増進施策に取り組む行政の管理栄養士、あるいは地域の調剤薬局チェーン店に勤務する管理栄養士など、地域住民に近い場所で働く管理栄養士たちが重要な役割を果たしています。

 急性期病院から回復期、慢性期、そして在宅へと続いていく知己栄養の流れの各ステージで働く管理栄養士が連携しながら、在宅高齢者の誤嚥性肺炎と糖尿病の重症化予防に向けて積極的に栄養管理をマネジメントしていくことが重要です。

 この考え方から「地域栄養経営」と名づけています。

※5 フレイルとは・・・人は年を取ると段々と体の力が弱くなり、 外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってきます。 このように心と体の働きが弱くなってきた状態をフレイル(虚弱)といいます。

●「地域栄養経営」コンセプト


①地域高齢者の誤嚥性肺炎による入院を予防するための地域栄養経営のあり方を考えます。

②地域高齢者の慢性疾患の三次予防に努め透析導入などの低減につなぐための地域栄養経営のあり方を考えます。

③上記の地域栄養経営を実践していく読者が必要とする情報を発信します。

④地域栄養経営に取り組む管理栄養士をはじめとする専門職や企業、ドラッグストアなどが集い、地域栄養経営について話し合う場を提供します。

⑤地域の課題と企業をつなぎ、健康寿命延伸のための製品開発に寄与します。

Q.今後求められる介護食とはどういうものなのでしょか?


【介護する方の負担を減らすために】

株式会社日本医療企画 雑誌「ヘルスケアレストラン」 編集長 佐々木修様

 すでに国内の医療・ 福祉関係者が共通して使用できる食事である嚥下調整食についての概念について知っている方は給食や医療・介護業界内では多いと思います。

 基本的には咀嚼・嚥下機能を正しく評価した上で、粘着性、凝固性、付着性の3つの視点から、安全な食形態で提供することです。

 今後、介護食の大きなユーザーは在宅の高齢者であり、その多くの高齢者は独居ないし、老老介護※6の状況であると言われています。

 また、介護者の多くは女性-要介護者の娘さんやお嫁さんなど-が担っている状態です。

 介護は食事だけではなく、排泄ケア、着脱、入浴など多岐に渡り、負担が大きい状態です。

 この多忙の中で、先述の通り、咀嚼・嚥下機能を正しく評価した上で、粘着性、凝固性、付着性を加味した正しい物性の食事を、ゲル化剤などを使用して調理することは非常にハードルが高いです。

 この負担を軽減するためにも、要介護者と介護者が同じメニューで、“同じ食事”を“同じ食卓”で食べられるための工夫が在宅で介護・介護食を考える上では不可欠だと思います。

 同じ食事を食べることで、介護者の負担を軽減できるだけではなく栄養改善、さらに団らんという幸せにもつながります。

 日清医療食品様の「モバイルプラス やわら御膳」は物性も適正で提供が可能です。

 特に「モバイルプラス やわら御膳」は加熱ないし、和えるだけで食べることができる商品のため、調理の手間もかからず介護者の負担軽減につながります。

 現在は契約されている施設での提供ではありますが、今後ぜひ地域に目を向け「食宅便」のように在宅向けにも検討いただければと思います。

※6 老老介護とは・・・65歳以上の高齢者を同じく65歳以上の高齢者が介護している状態のこと。2013年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査では、在宅介護している世帯の半数以上に当たる51.2パーセントが老老介護の状態にある。

モバイルプラス やわら御膳

日清医療食品のモバイルプラス やわら御膳

【介護者がやわらかい食事を食べることについて】


 老老介護の中で介護者が柔らかい食事を食べ続けることで、現在の噛む・飲み込む機能が低下することへの指摘もあるかと思います。

 介護という面を考えた場合、1日3食全てを同じ介護食を食べるということではなく1日1食ならば健常者がやわらかい食事を食べたとしても問題がないかと思います。

 例えば、昼間はホームヘルパーに依頼をして、食事を提供していただいている場合であれば、朝食・夕食のみが柔らかい食事になるだけです。

 一番は介護者の負担を減らすことが目的になります。

【介護食の重要度について】


 これは参考までですが、厚生労働省の過去調べで、介護老人保健施設を退所されて在宅に戻った方が、1年後も在宅療養されていた割合はわずか8%。退所後3か月の間に3割以上の方が入院や再入所によって在宅療養を継続できなかたそうです。

 病院または、介護老人保健施設に戻ることになった要因は2つあります。

 1つはうがいのできない口腔ケアの全介助。もう1つはペースト食以下の食形態の方です。

 噛む力がなければ在宅でのケアは難しい状態です。

 特にペースト食以下での在宅療養は難しいためできるだけ、噛む、飲込む能力の維持が必要になります。

 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013のコード2-2※7以上に咀嚼機能を維持して生活していただけるサポートが必要になります。

※7 コード2-2・・・嚥下調整食2(コード2-1 およびコード2-2)について
スプーンですくって、口腔内の簡単な操作により適切な食塊にまとめられるもので、送り込む際に多少意識して口蓋に舌を押しつける必要があるもの。
コード2 の中で、なめらかで均質なものが2―1。やわらかい粒などを含む不均質なものを2―2 。

Q.今後当社に求めることがあれば教えてください。


【更なるセントラルキッチンでの拡大を】


株式会社日本医療企画 雑誌「ヘルスケアレストラン」 編集長 佐々木修様

 現状、業界内で働き方改革を受けている中で、給食業界でセントラルキッチンについて重要度が高くなります。

 とある施設では、セントラルキッチンでのクックチル方式を取り入れることで、管理栄養士がフロアに上がり、より質の高い栄養ケアマネジメントが出来ています。

 また、同様の事例が複数件上がってきています。

 今後、病院・施設でもセントラルキッチン化ないし、セントラルキッチン方式を導入している企業への委託化に踏み切るところが増えると思います。

 その中で日清医療食品様は最先端の取り組みをなされており、日清医療食品のセントラルキッチンでの取り組みが拡大していくことで、今後の給食業界のあり方と、栄養管理の世界が大きく変わっていきます。

 日清医療食品様のセントラルキッチンでの取り組みの加速を期待しています。

【地域栄養の一環として】


 地域栄養の一つとして日清医療食品様の事業の一つに食宅便があります。より地域との連携のため地域のドラッグストアや調剤薬局チェーン店との連携も検討いただければと思います。

※所属・役職名はインタビュー時になります。

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