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平成の振り返り 病院・介護施設での経営変化とこれからの課題について平成の振り返り 病院・介護施設での経営変化とこれからの課題について

掲載日:2019年08月05日
ステークホルダー : 業界
キーワード : 平成振り返り 有識者コメント 給食業界

平成の振り返り 病院・介護の経営変化とこれからの課題について|日本医療企画代表取締役林 諄様にインタビュー

 日清医療食品は病院・介護福祉施設向け、給食受託会社のリーディングカンパニーとしての透明性の高い経営にするため、すべてのステークホルダーの皆様に対し、積極的かつ公平・迅速な情報開示に努めています。

 また、当ホームページではWebの特性を活かし、双方向のコミュニケ―ションツールとして、CSRへの取り組みの最新情報を随時公開しています。

 日清医療食品ではステークホルダーエンゲージメントを、社会課題の解決の手法や組織の決定に関する基本情報を提供する目的として、組織と一人以上のステークホルダーとの間に対話の機会を作り出すために試みられる活動と捉えています。

 今回、令和元年を迎える“平成を振り返る”をテーマに日本医療企画代表取締役林諄様に平成時代での病院・介護業界の経営の変化と新時代令和における課題や業界が目指すべき方向についてインタビューしました。

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日本医療企画代表取締役林諄様

インタビューに応えていただいた、日本医療企画代表取締役林諄様

【日本医療企画について】


 医療・介護栄養分野の専門出版社として昭和55年(1980年)より創業。出版不況の中、新規事業に積極的に挑戦し、業容拡大を遂げている。

創業から約40年


(日清)日本医療企画様は医療・介護・栄養の専門出版社として昭和55年(1980年)に創業され、来年には創業40年を迎えられます。
 この間、山あり谷ありでいろんな思い出があったと思いますが、今改めてこれまでを振り返り、栄養・食事分野についてざっくばらんに語っていただければと思います。


 (林社長)私どもの会社は創業以来一貫して「医療経営」をテーマにしてやってきましたが、「栄養・食事」分野に着目したのは80年代後半に入ったころだったと思います。

 高齢化とともに健康の時代の到来が叫ばれはじめた頃です。

 これまでの薬中心の医療から食事が重要視される時代が来るのではないかと本能的に直観したのです。

 そうなれば、当時社会的地位の低かった栄養士の出番がくるのではないかと思い、この分野への進出を検討し始めたわけです。

(日清)創業間もない時期から黎明期であった栄養分野に目をつけられた。時代の流れを的確に捉えられた先見の明ですね。

(林社長)本気で取り組もうと思うようになったきっかけは、やはり平成元年(1989年)の日本メディカル給食協会の設立ですね。

 協会の設立で、この分野の発展は間違いないと確信したからです。

 その後の協会の会員の推移を見ましても、発足当初は全国81社でしたが、現在は225社にのぼっており、飛躍的に伸びています。

日本メディカル給食協会 会員数推移

日本メディカル給食協会 会員数推移

(日清)林社長は、協会発足当時を知る数少ない人だと思いますが、何かエピソードがあれば教えてください。

(林社長)いろいろありましたが、一言でいって難産でしたね。

 特に会長人事は日清医療食品の村田士郎社長(当時)や富士産業の中村清彦社長(当時)という二人の大物を抜きに進められていたものですから、大変モメましてね。

 厚生省(当時)が中に入って調整し、その後の会長人事のルールが出来てようやく収まりました。

 ただ、難産の子はよく育つと昔から言いますが、その後の協会の発展ぶりはそれを地で行く見事なものです。

 先般開かれた協会30周年記念式典での山本裕康会長の挨拶はそれを象徴しています。次のような内容でしたね。

「病院・介護施設で温かなおいしい食事を楽しみに待っている方を常に優先的に考えたメディカルフードサービスを継続し、医療・介護サービスの発展に貢献し、国民に信頼される協会を目指し取り組んでいく。今までの30年は競い合う『競争の時代』だったが、これからは同じ“きょうそう”でも、ともに作り出す『共創の時代』である。」


(日清)弊社の村田社長や富士産業の中村社長(いずれも故人)とは林社長は長くおつき合いされたそうですね。

村田士郎会長

村田士郎会長

(林社長)お二人には公私両面にわたってお世話になりました。

 心から感謝しています。お二人との思い出は尽きませんが、特に印象に残っているのは、平成5年4月に病院給食の外部委託が許可される前に、呼び出されてホテルで合流し「わしらは病院の現状はよくわからん。どうやっていくべきか教えてほしい」と持ちかけられたことです。

 そこで話し合った結果、「ただ漠然とやってもダメだから栄養の情報誌を発行し、しっかり啓蒙活動しながらやろう」ということで一致。

 その結果、誕生したのが現在広く栄養関係者に読まれている「病院レストラン」(現:ヘルスケア・レストラン)です。

病院レストラン 創刊号

病院レストラン 創刊号

(林社長)お二人のご指導・ご協力抜きにはこの雑誌の存在は考えられません。

 現在も日清医療食品さんには多大なご協力を頂戴し、心から御礼申し上げます。

 いずれにしても、この情報誌の果たした役割は大きなものがあると思います。

 管理栄養士の使命は、給食提供だけではなく、栄養療法の提案により疾病の予防・改善につなげることだと主張し、「厨房を出て病棟に行こう」をスローガンにチーム医療におけるリーダーとしての管理栄養士の在り方などの情報を発信してきたことが高く評価されています。

(日清)日本医療企画様を見ていると、常に現実の問題を直視しながら新しいことにチャレンジされているという印象を受けますね。

(林社長)栄養の分野は行政主導型の分野ですから、どうしても一つのワクの中で仕事をすることが多くなり、マンネリになりがちです。

 あるべき本来の姿を起点に、今何をすべきか、という視点から新しいことに取り組んできたつもりです。

 東京大学名誉教授の細谷憲政先生と日本栄養士会長の中村丁次先生とタイアップして、2004年から9年間やってきた「臨床栄養の実践活動のための人間栄養学セミナー」もその一つです。

 これは「食物の栄養計算をし、おいしい食事をつくる」から「人の栄養状態を予防・治療の面から適切に評価し、栄養管理計画を策定する」というこれまでの常識からの転換を狙ったものです。

 こうした新しい流れをつくるためにわが国初の「栄養緑書」や「医療・福祉における実践的栄養アセスメント」などの書籍も相次いで発行しました。

(日清)経営の視点からの新しい取り組みも積極的にやられていますね。
  医療経営士、介護福祉経営士、栄養経営士など、新しい資格を相次いでつくられ話題になっています。この狙いは何でしょうか。

(林社長)これだけ厳しい時代になりますと、どの分野も「経営」というテーマが大きなキーワードになってくると思います。

「経営」という言葉抜きに何も語れない時代が到来したと言っていいでしょう。

 こうした視点から考えますと、どうしても「経営」を担う人材の養成が急務になります。

 それが3つの経営士の資格になったわけです。これら資格は、取得者を増やすというよりは、資格を通して新しい時代に対応できる人材をつくることが目的です。

 歴史に残る大変化の時代ですし、この時代を乗り切る人材をつくらなければ生き残れないと思います。

 それこそ今流行りのAI(人口知能)などに取って替わられるといっていいでしょう。

 医療経営士の資格を取った人はすでに2万人を突破し、全国各地で勉強会などが盛んに行われ、病医院を変革する大きな力になりつつあります。

(日清)栄養経営士の現状と意義について話をしていただければと思います。

(林社長)今、医療・介護の分野では地域包括ケアとか在宅医療・栄養などの新しい流れが出ているわけですが、従来の管理栄養士ではこうした状況に対応するのはなかなか難しいわけです。

 どうしてもこの現状を打破するには経営的視点が必要で、そこに栄養経営士の養成という発想が出てくる土壌があります。

 ここ数年、毎年全国各地で栄養経営士を養成する一般社団法人「日本栄養経営実践協会」の全国大会を開催していますが、ここで発表する管理栄養士の姿を見ていると、従来のワクから出て地域全体や病院経営、職種間の連携など随分積極的に考え、取り組む人が増えてきたと痛感しています。これから先が楽しみです。

 栄養経営士について、協会の代表である宮澤靖氏も次のように述べていますので、参考にしていただければ幸いです。

「“栄養経営”というと、食材費のコストコントロールが注目されますが、医療経営という観点から考えると、栄養サポートによる患者の栄養状態の改善や感染症などの合併症の防止が重要です。これは抗菌薬や輸液の医療費削減につながるし、患者の満足度の向上にもつながります。」


(日清)林社長は若い時代、20年前後にわたる新聞記者(産経新聞出身)、その後は40年近く現在の会社を創ってやってこられたわけですが、その体験を通して我々企業人に言っておきたい教訓や人生観などがございましたら教えてください。

(林社長)いろいろありますが、新聞記者時代に印象に残っているのは、セコムの創業者である飯田亮社長との対話です。

 飯田社長の「経営とは何ぞや」という問いかけに対して、当時経営の経験がない経済記者であった私は「経営とは変化対応業である」と答えました。

 だが、飯田社長に次のように言われたことが私の「座右の銘」にもなりました。

「変化の時代に絶えず変化に対応していたら目がまわるよ。変化の時代は、自ら変化そのものを創り出していけば、変化に対応しなくていいんだよ。」


 これからの時代は変化の時代です。だからこそ、変化を創りだしていくくらいでないと対応ができません。

(日清)林社長が常に新しい事にチャレンジしてこられたのには、こうした背景があったんですね。

(林社長)今、人生100年時代と言われていますが、これまでのように定年制や年金制度、生活保護制度などといった制度に依存させるようなやり方を続けていては、やっていけないだろうと思います。

 自分の人生は自分で創る、生きることは仕事をすることだといった気概がないとやっていけないと思います。

 その仕事ですが、私が今一番、社員に強調していますのは専門性・社会性・人間性の三性のバランスです。

 これがアンバランスになると物事はうまくいきません。仕事をする中で、常に専門性だけではなく、人間性、社会性の充実も忘れないようにしていくことが重要ではないでしょうか。

※所属・役職名はインタビュー時になります。

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